未来への投資!起業時に知っておきたい7つの資金調達方法
会社や事業を始めるためには、お金は必要です。自己資金で賄えない場合、足りない資金を補わなければなりません。起業家にとって「創業時の資金調達」は、大変重要であり、今後の会社の存続にもかかわってきます。
今回は、「起業時に考えられる資金調達にはどのような手段があるか」について解説していきます。
起業時は銀行には頼れない?
起業する際に、頼りたくても頼れないのが銀行です。新たに起業される方には、なかなか融資をしてくれません。 それには理由があります。
銀行は、スコアリングといわれる方式によって企業を評価して、貸付を実施しています。過去の業績・財政状態を示す財務諸表から、一定の論理にしたがって信用格付けを行い、それに応じて貸付額を決めているのです。設立されたばかりの会社は、過去の業績や財政状態を示す財務諸表はありません。そのため、どんなにしっかりしたビジネスプランがあっても、スコアリング評価ステムに入力すべき、過去の財務諸表がないので、格付けができません。格付けができないので、銀行はお金を貸せないのです。
担保か、信用のある会社か個人の保証がない限り、民間銀行の融資には、期待できません。
起業時の資金調達方法 ①日本政策金融公庫(融資)
日本政策金融公庫とは、2008年10月1日に、国民生活金融公庫、農林漁業金融公庫、中小企業金融公庫、国際協力銀行の4つの金融機関が統合して発足した100%政府出資の政策金融機関です。全国に支店網があり、固定金利での融資や、長期の返済が可能など、民間の金融機関より有利な融資制度が多く、設立間もない法人やこれから事業を始めようとする人であっても、融資を受けやすいのが特徴です。
一般的な中小企業に関係する事業は、国民生活事業になり、国民生活事業は事業資金の融資がメイン業務で、融資先数は88万先にのぼり、1先あたりの平均融資残高は698万円と小口融資が主体です。融資先の約9割が従業者9人以下であり、約半数が個人企業です。サラリーマンには馴染みではないですが、理由として、銀行のように口座はなく、貸付のみだからになります。
創業者向け融資制度である「新創業融資制度」や認定支援機関の助言があれば無担保・無保証、金利が安価になる「中小企業経営力強化資金」という融資制度がお勧めです。
(参考記事)日本政策金融公庫とは?
(参考記事)創業融資の代表的な公的な金融機関『信用保証協会の保証付融資と日本政策金融公庫』を徹底比較
起業時の資金調達方法 ②信用保証付の融資
「信用保証協会」という公的機関に保証人になってもらい、民間の金融機関から融資を受ける制度です。貸倒のリスクを信用保証協会が背負うので、実績のない創業者が民間金融機関から融資を受けることが可能となります。万が一返済が不可能になった場合は、信用保証協会が代わりに金融機関に返済し、その後債務者は、信用保証協会に借入金を返済することになります。信用保証協会は全国各地にあり、地域ごとに創業者向けの融資制度を設けています。また独自の融資制度を設けている自治体も多くあります。
手続きの手順としては、信用保証協会に保証の承諾を受け、金融機関から実際の融資を受けるという流れになります。また各自治体の制度を利用する場合は、自治体の窓口を経由することになります。
(参考記事)信用保証協会の保証付融資について解説
起業時の資金調達方法 ③親族、友人・知人からの借入
親族・知人から借入をする際には、その人の好意でお金を借りることになります。先々トラブルにならないようにしっかりとした取り決めをおこなっておくことが重要です。いくら近い間柄とは言え、お金を貸す側の心理としては複雑なものです。また、後々トラブルになりやすい資金調達法でもあるため、甘えてしまわないよう入念な説明と借用書などを交わすなど、お互いが納得のいく取り決めをしっかりとしておきましょう。
その他注意点として、金額によっては贈与税を納めなくてはならないので、実施する場合は、贈与とみなされないよう書面(金銭消費貸借契約書)を作成したほうが良いでしょう。また、利息など契約内容も明確にし、返済は銀行口座を通じたり、領収書をもらうなどして、証拠を残したほうが良いでしょう。
(参考記事)【資金調達】親族や友人・知人からの借り入れについて解説
起業時の資金調達方法 ④ベンチャーキャピタル(VC)からの出資
ベンチャーキャピタル(VC)とは、ハイリターンを狙った投資を行う投資会社のことです。未上場の中でも、特に成長性が高いと見込まれる企業に対して出資(投資)を行います。
ベンチャー企業の株式などを引き受けることによって投資をし、その企業が株式公開するなどしたのち株式などを売却し、キャピタルゲイン(株式等の当初の投資額と公開後の売却額との差額)を獲得すること目的としています。一般的には、技術が革新的であったり、アイデア、ノウハウが優れていなければベンチャーキャピタル(VC)からの投資を期待するのは難しいのが現状です。
投資する資金については、自己資金を活用して投資するパターンと、投資ファンド(投資事業組合)を設立して投資家から資金を集めて、ベンチャーキャピタルがその投資ファンドのマネージャーとして未上場企業に投資するパターンがあります。
(参考記事)ベンチャーキャピタル(VC)から出資を受けるメリット・デメリット
起業時の資金調達方法 ⑤エンジェル投資家からの出資
エンジェル投資家とは、起業家のスタートアップを助ける個人投資家です。エンジェル投資家の多くは、現起業家、引退した起業家、M&A・IPOなどで会社を売却して資金を手に入れた実業家達になります。
通常、起業後まもない時期は、資金調達の面で苦労を強いられます。起業時は説明できる実績が 無いため、銀行や金融機関などの融資やベンチャーキャピタルの出資を受けにくいからです。こうした資金調達の問題を解決してくれるのが「エンジェル投資家」の役目です。
エンジェル投資家には、投資の見返りとして、株式などを提供します。エンジェル投資家は、友人などのケースは別ですが、何の利益も見込めないようなベンチャーに対しては基本的に投資はしません。 当然ですが、投資した企業が倒産すると資金回収は出来ませんので、通常の投資と比較すると極めて高いリスクを負うことになるわけです。
(参考記事)エンジェル投資家とは?出資を受けるメリットデメリット
起業時の資金調達方法 ⑥補助金/助成金
国や自治体、公的機関が設けている補助金・助成金制度を活用する方法もあります。補助金や助成金は融資制度とは異なり、返済義務がない点が大きなメリットです。一方で、補助や助成を受けるためには一定の条件があり、実際に資金を確保することは簡単ではありません。申請しても承認が下りず、補助や助成を受けられないということも珍しくないため、他の資金調達方法も検討しながら同時進行で計画を進めることが現実的です。
また、申請の手続きは非常に煩雑なため、申請のために事務作業の時間をかなり長めに割く必要も出てきます。そして採択されても着金が半年から1年後になる為、基本的に事業運転資金の資金調達方法としては難しい面があります。
- 経済産業省が提供している補助金
- 地方自治体が独自で提供している補助金
- 企業、政府系金融機関、財団等が独自に行っている補助金
- 厚生労働省が提供している助成金
(参考記事)知っておきたい補助金と助成金の違いについて
起業時の資金調達方法 ⑦クラウドファンディング
クラウドファンディングとは、群衆(Crowd)と資金調達(Funding)を組み合わせた造語で、インターネット上で不特定多数の人から資金を集める仕組みのことです。個々の出資額がわずかな額でも、多くの人から出資を募ることでまとまった資金を得ることができます。利用するクラウドファンディング会社によって条件や手続きは異なりますが、 資金の使い道は、新規事業の立ち上げや、ものづくり、社会貢献、新規商品のPRなどさまざまな用途があります。
クラウドファンディングには大きく分けて、金銭以外のモノやサービスを特典として受けることができる「非投資型」と、金銭的なリターンを得る「投資型」の2つがあります。まず非投資型には「購入型」と「寄付型」があり、投資型(金融型とも呼ばれる)は「融資型(ソーシャルレンディング)」「ファンド投資」「株式投資型」に分類ができます。
(参考記事)おススメのクラウドファンディングサービスをご紹介
まとめ
いかがでしたでしょうか?このように、さまざまな資金調達方法があります。それぞれのメリットデメリットを鑑み、あなたの事業や状況に合ったものを選択するようにしましょう。
- ①日本政策金融公庫(融資)
- ②信用保証付の融資
- ③親族、友人・知人からの借入
- ④ベンチャーキャピタル(VC)からの出資
- ⑤エンジェル投資家からの出資
- ⑥補助金/助成金
- ⑦クラウドファンディング