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経営者が知っておきたい基礎知識『資金繰り』とは?


「資金繰り」というと、特に中小企業の経営者は課題かと思います。又、一見安泰に見えた大手企業が、資金繰りの失敗で倒産の危機に陥ることもよくニュースなどで流れています。

資金繰りについて、税理士と顧問契約している会社は任せっきりの所もあるかもしれませんが、最低限経営者であれば知っておく必要があります。「資金繰り」ができるかどうかが、企業が存続できるかどうかにも関わってきます。

そこで今回は、経営者が知っておきたい基礎知識『資金繰り』について解説していきます。

資金繰りとは?

資金繰りとは、経費などの支払いに対応できるよう会社に入ってくるお金と出ていくお金の管理を行い、資金の流れをコントロールしていくことを指します。

ここでいう資金とは、現金、預金、有価証券など、会社としてすぐに支払いに利用できるものを指します。同じ預金でも、すぐに解約する事ができない定期預金や現金化に時間のかかる不動産や設備は資金には含まれません。これらは、資産に該当します。

資金は、会社にとっての血液や空気に例えられますが、資金の流れが止まってしまうと会社は生きることができずに、倒産することになります。経営者は、仕入れ・支払いのための現金、社員の給与、売掛金の回収など、社内のお金の出入りを把握し、支払いがスムーズにできるよう資金繰りを行っていかなければなりません。

資金繰りは、経営者にとって非常に重要な業務です。 理想的な資金繰りのために、本業による売上で生み出された資金を新たな事業に投資し、将来さらなる資金を生み出すというスパイラルを作る事ができれば、理想的な資金繰りを行うことができます。

資金繰りは悪化するのは何故か?

資金繰りが悪化するのには、どのような原因があるのでしょうか。

まず、資金繰りが悪化しているということは、資金不足を把握した状態です。売上の減少が大きな原因ですが、数ヵ月以内に資金が不足することが予測できれば、資金繰りが悪化しているといえます。こうなってしまうと、事業を行っていくための資金が不足し、最終的には会社の倒産を招くことになります。

そして資金繰りが悪化する大きな原因は、赤字の状態が継続することです。売上が大きく減少すると、売上に連動していない固定費の支払いが困難になるためです。細かい事になりますが、経費の使い過ぎや広告宣伝費を費用対効果を検討せずに使う事も資金繰りが悪化する原因になります。

一方で、売上が大きく伸びたときも、注意が必要です。売上が大きく伸びれば資金繰りが容易になる印象があるかもしれませんが、入金と支払いのタイミングによっては、かえって資金繰りを悪化させることになります。

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資金繰り表の作成方法

実際に以下の表を参考に資金繰り表を作成してみましょう。

1.前月繰り越し①
前月から繰り越された、現預金残高の合計額を記入。

2.営業収支④(②-③)
営業活動に直接関係するお金の出入りを記入。
営業収入②:現金での売上げ、売掛金の回収、手形の取立・割引など、営業活動で入ってきたお金を記入。
営業支出③:現金での仕入、買掛金の支払、手形の決済、人件費の支払、その他経費の支払、税金の支払など、営業活動で支払ったお金を記入。

3.財務収支
営業活動と直接関係のないお金の出入りを記入。基本的に資金調達とその返済になります。
財務収入⑤:金融機関からの借入、株式の発行、固定資産の売却収入など営業活動と直接関係のないお金の入りを記入。
財務支出⑥:借入金の返済、配当金の支払、固定資産の購入など営業活動とは直接関係のないお金の出を記入。

4.経常収支⑦(④+⑤-⑥)
営業活動からの収支に財務収支を差引したものであり、今月の収支を表しています。

5.翌月繰越⑧(①+⑦)
前月の繰越現預金残高と、今月の収支を足したものが、翌月に繰り越されていきます。翌月に繰越される現預金残高と必ず一致します。

資金繰りを改善方法とは?

では、資金繰りを改善するにはどうすればいいのでしょうか。

まずは資金繰りを改善するには、会社の事業を改善することが最も確実で近道になりますが、まず着手すべきは、手元の資金を把握することです。当たり前のように思われやすいのですが、実は資金を経営者が把握できていないケースは数多くあります。そこで資金を把握し、数ヵ月先の資金状況について予測して、将来の資金計画を立てます。いつ資金が不足するかを把握し、資金調達の計画を立てるために、「資金繰り表」を作成してもいいでしょう。

そして、資金繰りの基本は、「早く資金入れて、資金の支払いを遅く出す」です。収入の時期、支出の時期をコントロールするという事です。しっかり資金繰り管理ができている会社であれば当たり前のことのようですが、資金繰りを重視していないとこの基本が忘れ去れてしまいます。資金はなるべく早く回収することが基本となります。

最後に、資金化していない資産を見直すことも大切です。資金化することで一気に資金繰りが改善できるかもしれないからです。この資金化されていない資産を発掘するには、決算書の貸借対照表の資産の部をチェックするといいでしょう。未回収放置されている売上金や、処分品として安価にすれば売れるはずなのに放置されている大量の在庫などがないでしょうか。あるいは、生産活動に利用されていない固定資産や、保有しておく必要がない有価証券なども資金化されていない資産です。

黒字でも倒産する会社がある

例え帳簿上は黒字になっていても、資金回収が遅れたり、大がかりな設備に投資したりして、資金が不足していると、資金繰りができていない状態になります。売上が下がったり営業利益が下がったりしたからといって、すぐに倒産の危機に直面するとは限りません。しかし、資金が一時的にでも不足すれば、取引先への支払いや従業員の給与の支払いができなくなり、さらには倒産の危機に直面します。

黒字でも資金繰りが悪化する要因は主に以下になります。

  • 設備投資
  • 在庫
  • 掛売
  • 税金
  • 借入返済
  • 売上の長期化
  • 売掛金の入金遅れ、未入金

上記があれば資金繰りが悪化してしまい、最悪のケースでは黒字倒産になってしまう可能性があります。

そして赤字経営の場合は、更に資金繰りに注意する必要があります。資金がショートしないように、資金繰りを行いましょう。

資金繰りを安定させるために資金調達を検討しましょう

日本政策金融公庫など、現在、金利が安価で無担保無保証で借り入れできる金融機関があります。返済する必要がありますが、借り入れ後に据置(すえおき)期間といって、一定期間返済しなくてもいいという(金利は返済します)措置をとれる金融機関もありますので、資金繰りを安定させるために資金調達を検討しましょう。

又、補助金や助成金は返済が必要ありませんので、自社にあった補助金や助成金がある場合、チャレンジすることも得策です。

まとめ


経営者は、売り上げや損益計算を重視しがちですが、資金を上手に回すのも経営者の仕事です。売り上げを上げることだけにとらわれず、現状をしっかりと捉えて、経費節約や仕入れの圧縮などを図るのも良い方法です。支払期限の延長も入金と支出のバランスを考える上で重要な考え方です。

資金繰り管理をしっかりと出来る企業は成長していきやすい企業にもなれますので、まずは自社の資金の把握とコントロールを検討するところから始めましょう。

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