創業融資の申請金額の決め方について解説
起業時に融資を検討されている方によく相談を受けるのは「創業融資の申請金額」の決め方についてです。「出来るだけ多く借りたい」「とりあえず〇百万円借りたい」では資金使途が不明確な為、金融機関も融資に前向きになりません。
今回は、「創業融資の申請金額はどのくらいが適正か」「決め方はどうしたらよいのか」について解説していきます。
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基本的な融資の借りられる金額
起業時の融資先として代表的な日本政策金融公庫を例にすると、自己資金の2倍から3倍が融資を受けられる金額の目安になります。過去に自己破産や税金の滞納、クレジットカードや借入の返済遅延があると融資を受けることが難しくなります。
実績のある専門家の協力の基、融資を受けることができたり、金融機関によっては対応するケースもありますが、一般的には自己資金の2~3倍程度とお考えください。
(参考記事)創業融資の「自己資金」と認められる定義について
資金使途と融資金額の考え方
資金使途は大きく分けると「設備資金」と「運転資金」の二つがあります。それぞれのポイントを説明します。
設備資金
設備資金とは、賃貸不動産の初期費用、内外装設備・工事、社用車、製造業の機械、オフィス関連の備品やOA機器、パソコン、WEBサイト制作費などが含まれます。
設備資金の目的で融資を受けると、必ずその目的物を購入する必要があります。信用保証協会の場合は、融資実行と同時に請求書にもとづき振込を行うことや、日本政策金融公庫の場合は決算書で目的物が資産計上されているかで確認することが多いです。
- 土地/建物の購入・賃貸不動産の初期費用
企業活動を行う拠点の取得費用。土地・建物の購入及び賃貸入居に関する初期費用
- 生産機器・自動車・電話機・パソコン・事務用品など社内備品の購入資金
企業活動のために継続的に使用する物品の購入費用
- 無形資産の設置に関わる資金
自社ホームページ作成や、ソフトフェア固定電話・FAX回線などの開発・導入設置にかかる費用
- 事業所の改修・改装にかかる費用
企業活動を行う事業所拠点不動産の改修・改装工事リフォームや建て替えなどにかかる費用
設備資金について、金額が大きくなる可能性がある分、綿密に、投資に見合った売り上げの算出も必要になってきます。
運転資金
運転資金とは、会社経営に関わる費用のことで、人件費や家賃、水道光熱費、通信費、商品の仕入れ、外注費や宣伝広告費など事業運営に必要な資金になります。銀行から融資を受けるには、仕入れ額がどの程度になるのか、売上げがどの程度見込めるのか、何か月分必要なのかを論理的に説明する必要があります。
運転資金は、3~6ヵ月分が適切といわれています。
- 人件費
従業員への給与・賞与など
- 広告宣伝費用
広告や販促活動に係る資金
- 商品や原材料の仕入費用
売上原価生産活動のために必要な元手となる原材料や商品を購入する費用
- 外注費用
他所へ業務を外注した際にかかる資金。ホームページの運営/管理を外部委託した場合のコストもここに該当する
- 事業所の維持費
企業活動を維持するため定期的にかかる費用(家賃・光熱費・通信費・消耗品費など)
融資を受けられるだけ受けたいという人もいますが、借りた金額は金利を上乗せして返済しなければなりません。返済計画には注意が必要です。
借入金額を決める為には事業計画書の作成は必須
借りる金額を決めるにあたり、事業計画書を作ることは重要です。
計画の項目として
- ① 売上の見込み、根拠
- ② 仕入のある業種であれば原価率、仕入先
- ③ 家賃、通信費、水道光熱費などの固定費
- ④ 初期の内装工事や設備費用
- ⑤ 広告宣伝費
- ⑥ 人件費
上記などの項目を挙げて「お金」の入出金から見た計画を作成します。事業計画(資金繰り計画)を作ることによって、必要な融資金額が明確になり分かり、資金繰りの不安解消や融資を成功させる為ではなく、事業を成功の道しるべにさせる為に必要なことになります。
まとめ
重要なことは、しっかりとした根拠のある事業計画を立てることです。売上は自分が想定しているより、少なめに、支出は多くかかることを想定しましょう。実際に事業を始めてみると当初想定していたよりも支出が多くなってしまうケースが多いです。
そして、創業融資を専門的に行っている専門家(税理士など)に頼るのもよい考え方です。過去の事例を基に事業計画作成を手伝ってもらうことはもちろん、根拠ある数字づくりをするうえで専門家の力は大きいです。金融機関は返済ができるか否かを重要視しますので、しっかりとした事業計画の作成には専門家の力を借りましょう。