農業を支える補助金の種類を探すには?
農業の開始や農機具等の購入、規模の拡大、6次産業化には多額の資金が必要になります。この資金のすべてまたは一部を国が支援してくれるとしたら活用しない手はありません。
今回は、農業を支える補助金の種類を探し方をご紹介します。
まず「補助金」と「助成金」の違いを知ろう
「補助金」と「助成金」両者には以下の違いがあります。
- 助成金:要件を満たして申請すれば、必ず受給される
- 補助金:要件を満たして申請し、審査をうけて採択されたら受給される
ただ、一般には「補助金」と「助成金」は区別せず使われているケースが多いようです。
一覧から自分に合った補助金の種類を探すには?
農業を営む個人や法人が受け取れる補助金は、農機具や出荷場などの設備投資から人件費、農地造成など助成対象によって種類が分かれ、補助の用途が決まっています。まず自分に必要な制度を知りたいときは、農林水産省の逆引き辞典を利用すると便利です。
おススメの農業を支える補助金制度
おススメの農業を支える補助金制度をご紹介します。
農業次世代人材投資資金
旧青年就農給付金が2017年度より名称を変え、「農業次世代人材投資」として開始されました。この制度の支給要件は、就農時の年齢が原則49歳以下、かつ独立・自営であることです。用途によって「準備型」と「経営開始型」の2つのタイプに分かれます。
就農前の研修資金を支援する準備型
都道府県が認定した農業大学校などの研修機関で、農業研修を受ける場合に、年間最大150万円の補助金を最長2年間受け取れます。年間およそ1,200時間以上の研修を約1年以上研修すること、親元で就農する場合は研修終了後5年以内に農家を継ぐか、農業法人の共同経営者になることなどが条件です。しっかり研修を受け、必要な技術を習得してから農業を始めたいという方には心強いサポートでしょう。
経営確立を支援する経営開始型
新規就農者が農業を始めて経営が安定するまで、年間最大150万円の補助金を最長5年間受け取れます。条件は、自ら就農計画を作成し、農業機械や施設を所有または借りて、農産物や加工品を出荷取引し、主体的に経営管理すること、就農後5年で生計が成り立つような実現可能な就農計画であることなどです。
農業を始めた当初は収入が不安定になりがちです。農業経営が軌道に乗るまで補助金を利用できるのは大きな安心材料となるでしょう。「農業次世代人材投資資金」については、以下よりご確認ください。
補助金交付の流れについて
ここからは、補助金の交付までの流れを説明します。一般に以下のステップを踏みます。
- 補助金を調べる
- 申請する
- 採択される
- 事業を実施する
- 補助金受給
補助金によっては専用の手続きが必要な場合もありますので、必ず専用窓口にて手続きを確認してから進めましょう。
補助金を調べる
まず最初に、目的にあった補助金を調べます。上記でご紹介しました「農林水産省の逆引き辞典」で調べましょう。その他、JAや地方自治体が独自に設定しているものもありますので、市区町村などのホームページからも調べてみましょう。
申請する
目的の補助金が見つかれば申請手続きを行います。応募書類は、実施事業体の該当ホームページからダウンロードできます。必要なものは印刷して揃えましょう。必要な書類は補助金によって様々です。書類の中に入手しにくいものもあります。その場合、代替できる書類がないかも相談しましょう。
採択される
ホームページ等を通じて採択結果が通知されます。確認できたらすみやかに次の工程にうつりましょう。期限が来ても開示されない場合は必ず問い合わせましょう。なぜなら、募集期間を延長になり、すべての工程が延びることもあるからです。
また、不採択になってもすぐに諦めてはいけません。予算が余っているれば、2次募集、3次募集があるからです。不採択になった理由を省みて、今度こそ受かるよう再トライしましょう。
事業を実施する
採択結果に基づいて、事業を実施します。注意点として、結果が出る前に先行してやってはいけません。申請→採択→実施の前後関係は必ず守りましょう。なぜなら、後付けで助成金を不正受給かと誤解されない為です。審査する側も厳しくチェックしてきます。一つずつ確実に進めましょう。
補助金受給
指定した口座に振り込まれます。もちろん他人名義の口座はNGになります。資産購入に関する補助金は、補助金分が資産の取得原価にどう影響するか注意しましょう。
また、農業次世代人材投資資金等の収入に関する補助金は、所得として扱われるので確定申告が必要です。補助金を受け取ったらそれで終わりではなく、その後も適切に処理しましょう。
まとめ
いかがでしたでしょうか?今回は、農業を支える補助金の種類を探し方をご紹介しました。
補助金は、全国各地で様々なメニューがあります。この記事を参考に、ぜひあなたにとっての理想の補助金を見つけてください。