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債務整理とは?過去に債務整理していても起業できるのか?創業融資は受けられるのか?


起業・開業相談会をしていると、約7割が資金調達の相談になりますが、その中でも債務整理をしている場合に創業融資は受けられるのか?起業は出来るのかという質問を受けます。債務整理と聞くと、あまり良いイメージがありませんので、創業融資に影響するかどうか不安になるかと思います。

今回は、過去に債務整理を行った方が融資を受けることができるのか?起業できるのか?について解説していきます。

債務整理とは?

債務整理とは、法的手段によって支払うことができない借入を減額・免除できる手続きのことをいいます。

借金が無くなる代わりに失うものがあったりしますので良いことばかりではありません。ただ、支払い続けることができない借金を、適切に処理することは債務者、債権者双方にとって重要なことです。

債務整理には4種類ある!?

債務整理の手続きには、以下4種類があります。

任意整理

任意整理とは、弁護士や司法書士が代理人となり、債権者(借入先の金融機関)と交渉を行い、利息のカットや月々の返済額の見直しを行う手続きのことをいいます。裁判所を通さないため、比較的手続きが簡単といえます。

個人再生

個人再生とは、借入の返済が困難であると裁判所に認めてもらうことで、住宅などの財産を維持したまま、大幅に借入を減額し分割で支払っていく手続きのことをいいます。個人再生には条件があり、利用できる方は限られます。また、国が発行している機関紙「官報」に掲載されます。

自己破産

自己破産とは、裁判所に申立てをして借金を「完全に0(税金や健康保険料などは残ります)」にしてもらえる手続きです。ただし生活に最低限必要な限度を超える財産は、基本的にすべて失われます。

過払い金請求

過払い金請求は過去に貸金業者に払いすぎた利息を返してもらう手続きのことをいいます。過払い金請求をすることで、既存の借入の返済に充てたりすることができますので、債務整理の1つと言われています。

上記3つとの大きな違いとしては、過払い金請求をすることで信用情報機関に登録されることはないという点です。

債務整理をすると、どうなるのか?

債務整理をすると、個人信用情報に事故情報が記録され、いわゆるブラックな状態になってしまいます。ブラックな状態になると、クレジットカードの作成、銀行や大手消費者金融のローン、携帯電話の分割払いの利用ができなくなります。事故情報は信用情報機関により異なりますが、信用情報機関に登録後5~10年登録されます。

中小の消費者金融の場合、債務整理中でも借入可能な場合があります。しかし金利が高い上に、利用すると銀行から融資を受けるのがより難しくなるので、ご注意ください。

債務整理をすると、起業できなくなる?

結論から言うと、債務整理をしても個人事業主でも法人としても起業はできます。債務整理をしても、起業において制限されることはありません。しかし、クレジットカードの利用ができなかったり、事務所や店舗の審査が通らないということが生じ、事業に影響を与える可能性はありえます。

ちなみに、すでに法人を経営している方(代表取締役)が自己破産した場合には、取締役を退任する必要があります。会社と取締役の間の契約は委任契約となっており、取締役の破産は、委任契約の終了事由の1つとして定められています(民法第653条)。つまり、取締役が自己破産をする場合、会社との委任契約が一度終了してしまうので、取締役は退任をしなければならないということになります。

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債務整理した方が融資を受けられるのか?

基本的に、債務整理の手続き中や債務整理直後はほぼ融資を受けるのは難しいでしょう。そのため、一定期間を空けて(できれば事故情報が消えてから)融資を申し込むのが良いでしょう。しかし、なるべく早く融資を受けて創業したいという方もいるかと思います。まずは過去に債務整理をしたことがある方は信用情報を確認し、ご自身の状況をしっかりと把握することをおすすめします。事故情報がなければ、融資を受けられる可能性があり、直近でクレジットカードの作成ができていれば、信用情報についてはほぼ問題ないといえるでしょう。
 

◇ 信用情報機関
  • 株式会社シー・アイ・シー
  • 株式会社日本信用情報機構
  • 全国銀行個人信用情報センター

 

◇ 債務整理種類別 借り入れできるようになる期間
  • 任意整理:和解成立から5年程度
  • 個人再生:再生手続き開始決定から5~10年程度
  • 自己破産:免責確定日から5年~10年程度

自己破産は、任意整理や個人再生とは異なり、返済できない借金は帳消しとなる手続を取ります。そのため、過去に自己破産を行った方の場合、任意整理や個人再生を行った方よりも融資を受けることが難しいと言えます

最後に、融資を受けるには十分な準備が必要です。過去に債務整理をされた方はより準備をするのが良いでしょう。具体的には月々の自宅家賃、光熱費などを期日内に支払い、自己資金をより多く準備することで、債務整理をした当時とは異なり、融資を受けても返済が問題なくできるという印象を金融機関の担当者に持ってもらえるようにしましょう。

まとめ


基本的に、債務整理の手続き中や債務整理直後はほぼ融資を受けるのは難しいですが、5年以上経過していれば、融資を受けられる可能性があります。もちろんケースバイケースなので、専門家(税理士や中小企業診断士など)に一度問い合わせするのが良いでしょう。

またご自身の信用情報(今までのクレジットカードやローンの返済状況)をCICなどの信用情報機関で一度確認しておきましょう。

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株式会社ベクターホールディングス
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