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日本政策金融公庫の審査に落ちてしまったら検討すべき4つのポイントについて解説


日本政策金融公庫からの借り入れができなかった場合でも、再チャレンジすることが可能ですが、創業融資の敷居の低い日本政策金融公庫から借入できない事は、今後、他の銀行からの借り入れできる可能性は少ないと言えます。

その点を踏まえたうえで、次も失敗がない為にも、今回ご紹介するポイントを確認して、再度融資審査に臨みましょう。

日本政策金融公庫とは?

日本政策金融公庫とは、政府が100%出資して設立・運営されている金融機関です。

日本政策金融公庫では、国の政策に基づき、創業や企業の支援、中小企業のサポートを行っています。同時に民間の金融機関を補完する役割も担っており、民間の金融機関では融資が難しい状況にある事業者への融資や好条件での融資も実施しています。

審査に落ちてしまった場合、すぐに再チャレンジできない?

日本政策金融公庫の創業融資は、一度断られてしまうと少なくとも半年間は審査に通ることが難しいと言われていますが、融資を断られた原因を改善することができれば早くて半年後には融資を受けることが可能となってきます。

一度断られたからといって諦める必要はありませんが、一度断られてしまうと融資が通らなかった履歴が残ってしまい、その後に申し込む際にも、履歴を確認されることは避けられません。

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日本政策金融公庫の審査に落ちてしまったら検討すべき4つのポイント

ここからは、日本政策金融公庫の審査に落ちてしまったら検討すべき4つのポイントについて説明していきます。審査落ち要因分析、他の金融機関での借り入れ検討、融資専門家の助言など、色々な視点から検討、行動していきましょう。

①審査落ちの原因を分析する

日本政策金融公庫は審査が落ちた理由を教えてくれません。基本的な融資実行の要件は「自己資金」「同業種の経歴」「事業計画」「個人の信用(借入状況とCIC情報(指定信用情報機関)」です。

自己資金

『自己資金の2~3倍が融資額の相場』

「自己資金」というのは、預金額、親族からのお祝い金、有価証券などがあり、法人の場合は設立3ヵ月以内であれば資本金額を見られます。自己資金として含まれないものとして、たんす預金など「入金履歴が追えないお金」や、友人知人または金融機関から「借りたお金」は一切認められません。「入金履歴が追えないお金」が認められない理由として、例えば融資先になる本人が反社会的勢力などに関わっており、そこから不正に出た違法なお金ということも考えられる為、たんす預金として通帳から引出しただけのお金や、給与の手渡しなど実際に正規なお金であっても、一切認められないのが現状です。「借りたお金」は返済することが前提となる為、こちらも自己資金とはみなされません。

各金融機関の違いで融資額の上限にはばらつきがありますが、一般的な融資額の相場として、自己資金の2~3倍となります。最低でも自己資金は100万円以上あった方が良いと言われており、理由として「これからスタートする事業をどのくらいの計画と熱意で準備をしてきたか」ということを測る為の基準として、自己資金を見られます。例えば、600万円の融資を受けたいと考えた場合、自己資金は最低200万円は用意した方が良いでしょう。

自己資金が1,000万あるからといって、2~3倍の2,000~3,000万円借れるということはなく、金融機関側で融資する金額の上限金額というものがある程度決まっており、起業初期であれば融資の上限金額は約1,000万円くらいまでが相場となっています。

同業種の経歴

『同業種で3年以上の経験があるか』

「同業の経歴」とは、これからあなたがおこなう事業に対して、これまで経験があるかということを見られます。「経験」とは同業で最低でも3年以上おこなってきたかどうかという点に着目して見られます。金融機関が経験を確認する理由として、今までの経験を生かしての事業であれば、これからおこなう事業の全体像も把握しており、売上見込みという部分でも安心材料の1つとなります。また、経験上の売上見込みだけではなく、既に顧客先から仕事が来ており、契約書や発注書なども貰っているので、○月○日までには入金がありますというような状況であれば、金融機関側も安心できる材料となります。

その他には、例えばコンサルティング会社で起業する場合、コンサルティング会社の経験がなくても、それに近しい業種・業態での実績も加味される場合があります。

事業計画

『金融機関側が本当に見たいのは売上見込みと利益。そしてその数字の根拠』

融資の申請をする際、各金融機関で事業計画書のテンプレートがありますが、そこに記載する内容は前述の「経歴」「自己資金」に加え「売上見込み」も記載します。ここで重要になってくることはこれから開始する事業がどのくらい利益が出て、融資の返済をしていくのかということを見られます。

利益や返済計画の詳細を示すためには、金融機関側のテンプレートだけでは不足しており、別紙に事業開始から最低12ヶ月分の損益計算書(P/L)とキャッシュフロー計算書(C/F)を用意したほうが良いでしょう。

借入状況とCIC情報(指定信用情報機関)

『借金もCICもキレイな状態であること』

まずCIC(株式会社シー・アイ・シー)とは、クレジット会社の共同出資により、昭和59年に設立された、主に割賦販売や消費者ローン等のクレジット事業を営む企業を会員とする信用情報機関です。 また、CICは、割賦販売法および貸金業法に基づく指定信用情報機関として指定を受けた唯一の指定信用情報機関です。個人のCIC情報は本人であれば1回1,000円で「スマートフォン」「パソコン」「郵送」「窓口」のいずれかで開示ができ、主に個人のクレジットカード情報(遅延や未払いなど)が分かります。

ここで金融機関が着目する部分は融資をした際「遅延が起こらず、期限通りに返済できる方か」「他で借金などをしていないか」を確認し、借金がある場合は「融資金額を借金返済に回されてしまう可能性がある」ということで基本的には一発でNGであり、まずは借金がないことが融資の前提条件なります。

②信用保証協会付融資も選択肢に入れる

信用保証協会の制度融資は日本政策金融公庫と並んで創業融資では代表的です。日本政策金融公庫の審査に落ちた人でも、信用保証協会の制度融資なら借り入れできる可能性があります。信用保証協会というのは、会社から保証料を受けることで、万が一返済ができない場合に会社に代わって銀行へ返済するという公共機関であり、保証協会付き融資は銀行にとっても審査の敷居が低いからです。

また、制度融資というのは、信用保証協会に加えて国や地方自治体という公共機関が、銀行を保証とする融資であり、銀行にとってはさらに審査の基準が下がります。制度融資は銀行にとってリスクが少ないため、貸せる先には融資したい商品のひとつですので、日本政策金融公庫の審査に落ちた会社は、制度融資も選択肢のひとつとして覚えておきましょう。

最後に、日本政策金融公庫や信用保証協会付融資以外にも、資金調達する方法はあります。クラウドファンディングや親族や友人・知人からの借り入れも検討していきましょう。

③認定支援機関などの融資の専門家に相談する

融資の専門家に相談することで、何をどのように改善するべきなのか、適格なアドバイスを受けることができます。日本政策金融公庫の融資制度の中で「認定支援機関の助言」が条件の制度もあるくらい、認定支援機関を通すことにより融資の借り入れの確率があがります。

認定支援機関(正式名称は経営革新等支援機関)は、中小企業・小規模事業者が安心して経営相談等が受けられるために、専門知識や、実務経験が一定レベル以上の者に対し、政府が認定した公的な支援機関です。具体的には、商工会や商工会議所など中小企業支援者のほか、金融機関、税理士、公認会計士、弁護士等が主な認定支援機関として認定されています。

但し、認定支援機関の中にも創業融資の知識や経験が豊富ではないところもありますので、相談する際には気をつけましょう。

全国の認定支援機関

④自己資本比率を上げる

自己資金が少ないことが原因で融資審査に落ちてしまった場合、時間をかけてコツコツと自己資金を貯めたり、個人的に所有している自動車や会社で所有している設備機器などを資産にしたりすることで、自己資本比率を高めることが大切です。自己資本比率が高くなることで、再度融資を申し込んだ際に評価が高くなり資金調達がしやすくなります。

まとめ


日本政策金融公庫は国が出資し設立した金融機関で、基本的に、中小企業や起業家の味方です。一度落ちてしまった人でも条件を満たせば審査に通る可能性があります。但し、審査に落ちてしまった原因が改善されなければ何回チャレンジしても結果は同じです。そうならないためにもしっかり改善をアピールできる状態で再チャレンジしましょう。

また、自分だけで行うのではなく、認定支援機関や創業融資に強い税理士などに相談しながら進めることをお勧めします。

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