事業資金融資の借り換えとは?メリット・デメリットについて解説
融資の借り換えは、資金繰り改善や返済計画の立て直しをしたい経営者には魅力的な選択肢ですが、安易な借り換えには要注意が必要になります。
そこで今回は、事業資金融資の借り換えについてやメリット・デメリットをご紹介していきます。
事業資金融資の借り換えとは?
一般的に、借り換えとは、すでに借りている借入(債務)を、他の金融機関の借入(債務)に移すことを言います。
事業資金融資の場合も一般的な借り換えと同じく、受けている融資やローンを別の金融機関のものに切り替える事を指します。事業資金の借り換えでは、銀行やカードローン、ノンバンク、信用保証協会、日本政策金融国庫などを利用するのが一般的です。中でも信用保証協会では中小企業の資金繰りの円滑化を図るため、「資金繰り円滑化借換保証制度」を実施しています。また、日本政策金融公庫では、災害や新型コロナウイルスなどの影響で資金繰りが困難となっている事業者に対して借り換えを行う「公庫融資借換特例制度」を導入しています。
公的機関が実施する借り換えに関する制度では、カードローンなどに比べて金利が低く設定されていることが多いですが、申し込みの要件が厳しい場合や、融資までに時間がかかることもあります。金利や手数料、融資を受けたいタイミングなど、さまざまな条件を考慮して借り換え先を検討しましょう。
事業融資の借り換えを検討すべきタイミング
事業融資の借り換えでは、現在よりも条件のよい金利や返済期間の融資に乗り換えることで毎月の返済の負担を減らし、資金繰りの改善を図ります。事業融資の借り換えを検討すべきタイミングは「経営状況にあわせた返済計画にしたいとき」です。
例として、以下のようなケースにおいて借り換えを検討すると良いでしょう。
- 既存の借入よりも良い条件に変更して、返済総額や返済期間の負担を減らしたい時
- 複数の借入を一本化して、月々の返済負担を減らしたい時
- 借り換えと同時に新規の融資を追加したい時
借り換えを行うメリット・デメリット
ここからは、借り換えを行うメリット・デメリットについて説明していきます。
借り換えを行うメリット
既に借り入れているお金を、わざわざ別の金融機関に切り替える理由として、最も大きいのが「金利の軽減」です。現在受けている融資よりも、より金利の低い融資に切り替えることで、負債の総額を削減することができます。
また、複数の金融機関から融資を受けている場合、借り換えによってそれらの融資を一つの金融機関へ一本化することで、返済先や返済日がまとまり、スムーズな返済につながるといったメリットもあります。
借り換えを行うデメリット
一方で、借り換えにはデメリットも存在します。借り換えを行ったとしても、融資の額そのものは変わりません。あくまで安くできる可能性があるのは金利の部分のみとなります。
また、借入れ先の一本化によって1回あたりの返済額が減る場合、返済期間が伸びてしまうこともデメリットの一つと言えます。この際、伸びた分の返済期間にかかる利息分によっては、結果的に返済総額が増えてしまうケースもあり得るので注意が必要です。
借り換えの審査でチェックされるポイントとは?
事業融資の借り換えで審査されるポイントには、以下があります。
- 財務状況に問題がないか
- 返済状況に問題がないか
借り換えをしたい企業のニーズは「より良い条件の借入に変更したい」「毎月の返済負担を減らしたい」など、資金繰りを改善したい場合がほとんどです。そのため、財務状況が悪化していないか、過去の返済履歴に問題がないかといった点は重点的にチェックされると考えていたほうがよいでしょう。
まとめ
いかがでしたでしょうか?今回は、事業資金融資の借り換えについてやメリット・デメリットをご紹介しました。
借り換えを成功させるには、徹底した返済シミュレーションが必要です。借りた後で後悔しないよう、計画的に返済を行っていきましょう。