日本政策金融公庫と初めて取引する場合に提出が求められることがある「企業概要書」とは?
日本政策金融公庫と初めて取引をする際に、「企業概要書」の提出を求められることがあります。この「企業概要書」はどういうものなのか、融資審査でどのような役割を果たす書類なのか分からない方も多いのではないでしょうか?
今回は、「企業概要書」について解説していきます。
そもそも『日本政策金融公庫』とは?
日本政策金融公庫とは、2008年10月1日に、国民生活金融公庫、農林漁業金融公庫、中小企業金融公庫、国際協力銀行の4つの金融機関が統合して発足した100%政府出資の政策金融機関です。
全国に支店網があり、固定金利での融資や、長期の返済が可能など、民間の金融機関より有利な融資制度が多く、設立間もない法人やこれから事業を始めようとする人であっても、融資を受けやすいのが特徴です。設備資金や運転資金として借り入れが可能で、原則として無担保・無保証人、融資限度額は3000万円(運転資金は1500万円まで)と設定されています。
企業概要書とは?
「企業概要書」は、政府系金融機関である日本政策金融公庫と初めて取引をする際に必要な書類の一つです。創業後2年目以降の方が提出する事業計画に関する書類になります。
企業概要書は創業計画書よりも項目数が少なく、以下6項目について記入します。
- ①企業の沿革・経営者の略歴
- ②従業員
- ③関連企業
- ④お借入れ状況
- ⑤取扱商品・サービス
- ⑥取引先・取引関係等
企業概要書には、企業や経営者自身の略歴といった紹介のための項目はもちろん、客単価や売り上げシェアなど具体的な数値が必要な「取扱商品・サービス」など事業にまつわる情報を網羅的に記載します。
なお、「お借入れの状況」にはカードローンや消費者金融からの借入状況を記載することになります。記入前に、ご自身の借入状況をきちんと把握しておきましょう。
創業計画書との違いとは?
企業概要書は、同じく日本政策金融公庫で借入する際に作成する創業計画書と似ていると感じた方も多いのではないでしょうか?
創業計画書は、まだ事業が始まっておらずこれから進めていく段階で創業融資を申込む際に必要になってくる書類です。一方、企業概要書は事業を開始している段階で1期目の決算を終了し、融資を申込む際の必要書類です。なお、1期目の決算を終了していることで、決算書の提出も必要です。
日本政策金融公庫との取引が、創業前なのか創業後なのかで、準備する書類は違うということが分かります。
まとめ
いかがでしたでしょうか?今回は、日本政策金融公庫と初めて取引する場合に提出が求められることがある「企業概要書」について解説しました。
「企業概要書」一枚で、融資を受けられなくなってしまうことも珍しくなく、それほど重要な書類です。記入の際には、会社の紹介を第三者が読んでも分かりやすく書くことはもちろん、返済計画についても具体的な根拠のある説得力のある文章で、また、将来性のある会社だということが伝わるように記入することが望ましいです。