出資金とは?基礎知識について解説
事業を立ち上げる際には資金調達という問題に直面しますが、その際、よく見聞きする会計用語のひとつが「出資金」です。では出資金とは何のことなのでしょうか?
今回は、出資金について解説していきます。
出資金とは?
出資金とは出資者が会社に提供した資金のことです。株式会社の場合、出資者は株式を取得します。出資を受けた会社は、出資金を資本金や資本準備金として処理します。
特定の団体に対して財産を提供した際の金額も出資金に含まれます。なお、出資金に対する還元として配当金や残余財産の分配を受けることが可能な地位が与えられます。
なお、出資金として処理できるものの中には、商工会議所への出資やゴルフ会員権、クラブへの入会金なども含まれます。
会社を作らないと出資は受けられない!?
出資を受けるためには会社の設立が必要です。個人事業のままでは株主に出資してもらうことはできません。銀行借り入れの審査上も有利に働きますので、会社を設立して出資してもらう方法も検討するとよいでしょう。
ただし、デメリットがあります。それは、株主は基本的に出資比率に応じて議決権を保有するということです。例えば、自分で100万円の創業資金を用意して、知人からもう100万円の出資を受けたとします。この時、出資比率が50%になると同時に株主総会での議決権比率も50%になります。他人が株式会社の最高意思決定機関である株主総会で影響力を持つことは大きな問題です。自分の思い通りに会社の方針を決めることができないリスクがあります。出資を受ける際には、出資比率に注意しましょう。
株主総会での決議には普通決議、特別決議、特殊決議とありますが、もっとも要件が重い特殊決議で議決権の2/3と定められていますので、他人からの出資はこの割合未にとどめておく方が無難になります。
まとめ
出資金は、会社の資本金や資本準備金として使用することができる、返済義務のないお金のことです。ただし、お金を出資してくれた株主が経営の権利を持ち、事業で得た利益は配当金として支払わなければいけません。
上記でも記載しましたが、出資比率が低いと自分の思い通りに会社の方針を決めることができないリスクがありますので、出資を受ける際には、出資比率に注意しましょう。