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政府系ベンチャーキャピタルとは?代表的な政府系ベンチャーキャピタルをご紹介


起業家が事業を運営する上で避けて通れないのが資金調達の問題です。ベンチャーキャピタルは出資や経営支援などスタートアップやベンチャー企業にとって重要な存在です。

今回は、ベンチャーキャピタルの中でも「政府系ベンチャーキャピタル」について解説していきます。

政府系ベンチャーキャピタルとは?

1963年、中小企業投資育成株式会社法という法律が制定されました。これは資金調達が難しいけれども有望な中小企業に対して、政府系機関が投資業務を行う投資育成会社に関する法律になります。つまり、政府系のベンチャーキャピタルということになります。

民間系ベンチャーキャピタルはIPOやM&Aでのイグジットでハイリターンを期待して出資するのに対して、政府系ベンチャーキャピタルは無理なIPOはせず安定的な配当を期待するという特徴があります。更に他のVCと比べて、成長支援などのサポート力は小さいですが、特定の企業色がつかずに資金調達することができます。そして農林漁業向けのファンドなど業種を絞ったファンドも数多く存在しています。

代表的な政府系ベンチャーキャピタル

代表的な日本の政府系ベンチャーキャピタル5社についてご紹介していきます。

  • 東京中小企業投資育成
  • 名古屋中小企業投資育成
  • 大阪中小企業投資育成
  • DBJキャピタル(日本政策投資銀行グループ)
  • 産業革新機構(INCJ)

それぞれについて説明していきます。

投資育成会社

投資育成会社は東京・大阪・名古屋にそれぞれのエリア名を冠する投資育成会社が事業を行なっており、以下3社で全国をカバーしています。

  • 東京中小企業投資育成:静岡県・長野県・新潟県以東の18都道県
  • 名古屋中小企業投資育成:東海三県、富山県・石川県
  • 大阪中小企業投資育成:西日本の24府県(福井・滋賀・奈良・和歌山以西、沖縄まで)

法律に基づいて経済産業大臣が監督を行ない、地方公共団体や金融機関による出資を受けている機関である投資育成会社は中小企業の資金面のバックアップを行う「投資業務」。経営相談、ビジネスマッチングなどの「育成業務」で出資先企業の健全な成長をサポートします。設立から現在までに日本の数多くの中小企業へ出資を行ない、支援を行ってきた投資育成会社は税理士、中小企業診断士、公認会計士など、専門資格を持った人材が揃っているため、経営についての有益なアドバイスを受けることが出来るでしょう。

DBJキャピタル(日本政策投資銀行グループ)

DBJキャピタルは日本政策投資銀行の100%子会社のベンチャーキャピタルで、日本政策投資銀行グループのベンチャーキャピタルである新規事業投資株式会社と知財開発投資株式会社が統合され設立しました。規模や事業分野にとらわれず、新しいビジネスモデルや技術を用いグローバルな競争力で成長するベンチャー企業に対して投資、ネットワークを利用したファイナンス面のサポートなどを行なっています。更に、研究所や大学、企業の優れた技術や知財の事業化などについても強力なハンズオンでベンチャー企業立ち上げをサポートしています。

産業革新機構(INCJ)

株式会社産業革新機構から2018年9月に新設分割という形で発足したのが「INCJ」です。組織や産業の垣根を超えてオープンイノベーションにより次世代を担っていく会社を育成することを目的として2009年7月に設立された産業革新機構は産業競争力強化法の改正法の施行に伴って「株式会社産業革新投資機構」として新たな活動を開始。INCJの全株式は株式会社産業革新投資機構が保有しますが、INCJは産業革新機構の事業を引き継ぐという形で出資先企業への投資、イグジットへ向けた活動を行っていきます。

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政府系ベンチャーキャピタル「投資育成会社」を利用するメリット

民間ベンチャーキャピタルの場合は「投資回収ありき」「親会社とのシナジーありき」になってしまいます。一方で、政府系ベンチャーキャピタルは「中小企業を育成する」という公的なミッションがあります。実際に「投資育成会社」は、経営相談、ビジネスマッチング、株式公開支援、セミナーなど様々な支援も、出資とともに行う形になります。そして民間ベンチャーキャピタルと比較すると政府系ベンチャーキャピタルには以下のメリットがあります。

  • 回収を求められるまでの猶予期間が長い
  • 設立前からも利用できる可能性がある
  • 経営に口を出されるケースが少ない
  • 無理に上場を求めることなく長期安定株主としてサポートを行ってくれる
  • 信頼度の向上(投資育成会社が国策会社である為)

逆に注意点としては、審査基準こそ厳しいという事や、民間と比べ、経営に口出しを多くしてきませんが、安定的な配当を出すこと(早期にIPOを目指す場合を除く)や定時株主総会の開催前に決算内容についての説明を行うことは必要となってきます。

まとめ


いかがでしたでしょうか?今回は、政府系ベンチャーキャピタルについて解説しました。出資先企業の自主性を尊重した出資スタンスの投資育成会社は中小企業の育成を目的にした政府系ベンチャーキャピタルであり、民間系のベンチャーキャピタルや一般の投資家と比較すると自由度の高い経営を行えるという魅力があります。

但し、国が監督している機関だけあって審査基準は厳しく、申し込みのための書類作成などの準備に手間はかかりますが、出資を受けることで社会的な信頼度が高まるなどメリットは大きいと言えるでしょう。

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