資金獲得の鍵を握る!日本政策金融公庫融資面談のコツとは?
日本政策金融公庫の融資でお金を借りる時に、事業計画などいろいろと準備をしますが、なんといっても一番不安で緊張するのは「面談」です。日本政策金融公庫(国金)の面談は一発勝負と言われます。
何回も面談を受けることも可能ですが、一度否決されてしまうと約半年~1年程度は融資を受けることが困難になるからです。
今回は、日本政策金融公庫の融資面談で失敗しないためのポイントをご紹介します。
融資面談の持ち物について
以下が面談に行くときに必要になる主な持ち物になります。
- 事業計画書
- 創業計画書
- 身分証明書(運転免許証、パスポートなど)
- 過去1年分の源泉徴収票
- 預金通帳(過去6ヵ月以上の履歴印字が必要)
- ご自宅が賃貸の場合は、賃貸借契約書
- ご自宅が持ち家の場合は、固定資産税の領収書、住宅ローンなどある場合は、返済予定表
- 公共料金や家賃が引落でなく振込支払いの場合はその領収書(上記の通帳で確認できる場合は不要)
- 資格(営業許可証、調理師免許など※ある場合)
事業用の通帳
資本金が入っている通帳
その他事業用資金を貯めてきた経緯が分かる通帳
その他の持ち物は、日本政策金融公庫で借入申込書を提出した後に届く資料を参考にしてください。すべて揃えておく必要はないですが、最終的に審査するときまでには揃えておかなくてはいけないものなので、あらかじめ揃えておいて、万全な状態で面談に臨むようにしましょう。
面談時間や服装は?
まずは面談時間についてですが、おおよそ1時間程度になります。そして、面談時の服装については、制限はないのですが、基本的にスーツで臨むようにしましょう。
スーツがない人はジャケパン(ジャケット、ワイシャツ、チノパン)でも構わないです。わざわざ面談のために新品のスーツを購入しなくてもいいですが、最低限の身だしなみとしてスーツを着用して清潔感がある印象を与えましょう。
日本政策金融公庫の融資担当者が面談でよくする質問とは?
基本的に日本政策金融公庫の創業計画書の流れで質問されますが、その中でも面談時によく聞かれる質問を紹介していきます。
起業理由と起業する事業について
起業理由が「会社勤めが嫌だった」「社長になりたかった」など、短絡的な発言をするとマイナスイメージです。これまでの経験から得てきた、知識、課題、仕事との向き合い方など、ご自身の誠実さが垣間見えるように伝えていきましょう。
そして、起業する事業についてですが、起業する事業に関係する仕事の経験があるなら、それも伝えることで審査担当者の印象をアップさせることができます。日本政策金融公庫のデータで、経験している事業と経験していない事業で起業した場合、経験者の方が数倍成功率が上がるデータがあるからです。
自己資金額について
面談の際に持参する通帳でも確認がありますが、必ずと言っていいほど質問されるのは、自己資金の額です。
「どのように貯蓄していったのか?」「不自然な入金はないか?(=見せ金はないか?)」「税金や家賃、通信費、水道光熱費などの滞納はないか?」など、6ヶ月~1年前までさかのぼって確認があることを覚えておきましょう。滞納していると、お金に無頓着だと思われて印象が悪くなります。もしまだ未払いのものがあるなら、きっちり払い終えてから融資の審査を受けましょう。
事業の資金繰りについて
事業計画書にも記載しますが、収益の見通しがたたないと返済が滞るということも明らかなので、具体的な数字で明示することが必要不可欠です。
数字以外にも、〇〇株式会社との契約があるなど、収益があり(ありそうな)、具体的に決まっている顧客についても口頭でも伝えられるようにしましょう。
ローンの残高について?
ローンがあるのか?あるとしたら、残高はどのくらいなのか?という点も、審査担当者が気になるところです。住宅ローンやクレジットカードのローンがある場合は、どのような返済計画になっているのかを論理的に説明できるようにしましょう。ここで返答につまづくと、創業後の資金繰りも不安に思われてしまう可能性があります。
日本政策金融公庫の融資担当者が面談で見ている3つのポイント
①事業計画
金融機関の融資といれば、やはり返済できるかどうかは重要です。日本政策金融公庫は公的な金融機関なので、貸すお金は税金です。返せないような事業計画では当然お金を貸すことが出来ませんので、面談でチェックするポイントとしては当然です。
前述の「よく聞かれる質問」でもお知らせしましたが、特に自己資金(どうやって事業をする為に貯めたのか)、事業の経験について特に確認する傾向があります。
②人柄
金融機関なので「人柄?」と思うかもしれません。では「人柄」というのは具体的にどのようなものなのか。
日本政策金融公庫の融資は他の融資と比べて、自己資金や現状の個人信用情報(CIC)などの自身の「お金の状況」の確認を重視します。ここで多く見積もって申告したり、クレジットカードでの借り入れをしているのに借りていないなどの嘘を言ってしまうとマイナスになります。面談担当者は、多数の面談をしてきているので、経験上、嘘をついているのは伝わるようです。
あと、経歴不詳や何か隠しているような態度を公庫担当者は嫌う傾向にあります。逆にマイナスになるようなことでも、正直に話す方については、比較的前向きに取り組んでもらえることがあります。当たり前かもしれませんが、嘘をつかず、正直に現状の状況をお伝えするのが得策です。人は身だしなみからといいますが、髪型や服装(基本的にスーツ着用です)をチェックするポイントです。
③起業に対する熱い思い
日本政策金融公庫の融資を受けるということは、基本的に創業直後が多いですが、売り上げが上がらない状況を事業計画に落とし込むケースが多いかと思います。売上げが上がらない状況では「創業に対しする熱い思い」がないとやっていけません。問題はその熱意をどのように伝えるかになっていきます。
例えば、自己資金を貯めていたり、公庫の事業計画書だけではなく追加資料を作っていたり、自分なりにこの状況からどうやって経営の向上をしていくかという言葉の表現を見ています。
貸す側の方からすれば「創業しようとしているのに熱意を感じられないようではお金を貸せない」と思うのは当然かと思います。一生懸命な方であれば、お会いしていて相手にも伝わるものです。
面談はなんのために行われるのか
起業家からしたら、金融機関に対してお金を借りに行くのは大変ハードルが高いと思っている人が多いです。当然、金融機関も返済能力がない人にお金を貸すことはありませんが、日本政策金融公庫の審査担当者の立場からすると、起業家にお金を貸していきたいというのが本音です。
理由としては、意外ですが、貸せばかすほど、担当者の評価はあがるからです。ただ、やみくもに貸せばよいわけではなく、上長の承認が必要です。上長からの厳しいつっこみを予想して、しっかりと会社の事業プランを検討しておかなければならないのです。厳しい質問をされたときは、融資をとおすためにいろいろと考えてくれているのだと思ってください。
そして融資担当者だけでなく、日本政策金融公庫自体も貸したがっています。開業率をアップさせるのは、国の基本政策です。そのため、日本政策金融公庫は、国から創業融資をもっと貸し出せと言われています。面談時に意地の悪い質問をされたら、乗り越えるべきハードルの1つに過ぎないとポジティブにとらえましょう。
絶対に言ってはならない言葉
創業融資に限らず、資金調達のコツは、資金使途を明示して返済財源を明らかにすることです。軌道にのるまでの2ヶ月分の経費に300万円かかるとか、設備投資に500万円必要であるとか、使途を明確にしてください。そして具体的ではない『いくらなら借りられますか?』とは絶対に聞かないことが大切です。
いくらなら借りられますかという質問は、使途は明確でないが手元にたくさんお金を置いておきたいという発想です。使途が不明確なので、リターンも不明ですので、返済計画もたてようがありません。『とにかくお金が欲しい、しかし、資金使途と返済財源は不明だ』というのは、金融機関が一番いやがる相手なのです。
まとめ
金融機関なので、お金を返せるか否かが重要で、熱意や人柄?と思うかもしれません。融資面談の相手は人ですし、日本の創業成功率を上げたいと思っていますし、その為には融資をしたいとも思っています。その為には「人柄」「熱い思い」がある人に貸したいと思うのは必然です。一発勝負、悔いの残らないように万全の対策をしていきましょう!