日本政策金融公庫で自社にあった返済シミュレーションを行う際の考え方とは?
日本政策金融公庫の融資は、創業したばかりの経営者の方から、既存の事業が軌道に乗ってきたので、事業拡大を図りたいという中小企業、個人事業主の方など多くの方が活用されています。
事業資金の融資を検討されている場合、借入から返済完了までの流れをしっかりと確認しておかないと、返済計画に無理が生じて、結局返済できなくなってしまう可能性もありますので、日本政策金融公庫から融資を受ける際には返済シミュレーションをしっかりとやっておく必要があります。
そこで今回は、日本政策金融公庫で自社にあった返済シミュレーションを行う際の考え方について解説していきます。
そもそも日本政策金融公庫とは?
日本政策金融公庫とは、2008年10月1日に、国民生活金融公庫、農林漁業金融公庫、中小企業金融公庫、国際協力銀行の4つの金融機関が統合して発足した100%政府出資の政策金融機関です。
全国に支店網があり、固定金利での融資や、長期の返済が可能など、民間の金融機関より有利な融資制度が多く、設立間もない法人やこれから事業を始めようとする人であっても、融資を受けやすいのが特徴です。設備資金や運転資金として借り入れが可能で、原則として無担保・無保証人、融資限度額は3,000万円(運転資金は1,500万円まで)と設定されています。
日本政策金融公庫の融資の返済シミュレーションを行う際の考え方
自社を検証し、借入から返済までの課程を事前に想定する
事業資金などの融資を受ける際は、無理なく返済できるような返済計画を立てておくことがとても重要です。融資の申し込みをする前に、色々な角度から自社の事業を検証し、資金繰表等をみながらキャッシュフローを想定し、返済計画をたててみましょう。
その際に、うまくいった場合のみを想定するのではなく、業績が苦しくなった場合も視野にいれて想定し、返済計画を立てる様にしましょう。様々な角度から自社を検討することで、経営上の課題などがみつかり、そのことによって必要な資金の金額などが見えてきたりします。そういった具体的数字を積み上げて、返済までの流れを把握すれば、精度のよい返済計画がつくれます。
融資を受ける額を考える
会社を経営していると、取引先への支払いや、人件費などの経費、税金の支払いなど手元から離れるお金が沢山あります。これらの支払いが滞ったりした場合は、会社の信用低下を招いて、売上が下がり、更に会社の経営状況は厳しくなってしまいます。
事業資金はあればあるだけ会社の資金繰りには余裕がうまれますが、借入金が多いと、利息の支払の負担も大きくなるので、自己資金や自社の今後の収入、例えば、売上の予測などを考慮しながら、いったいいくら融資を受ければよいのかを考える必要があります。
無理のない返済計画を立てる
安定的に会社の経営をしていくためには、充分な事業資金を確保することが大切です。新たに創業する場合でも、事業を拡大する場合でも、そのために事業資金がいくら必要になるのかを把握します。そして必要な事業資金のうち、どれくらいを自己資金でまかなえるかを計算します。
事業資金というものは、非常に重要で、資金があるだけ経営の資金繰りに余裕はできることになりますが、今手元にある事業資金がすべて融資によるものですと、いずれすべて返済しないといけなくなります。借入金の割合が多くなると、融資を行う日本政策金融公庫側としても、返済できないリスクがあると判断をして、融資してくれない可能性もあります。借入と自己資本の割合を考えながら資金計画を立てる必要があります。
日本政策金融公庫の「返済シミュレーション」ツールで予想を立てよう!
日本政策金融公庫の新創業融資制度で融資を受ける場合、全100回で返済する、というように「回数」で指定する方法と、5年で返済する、というように「年月」で指定する方法があります。いずれの場合も、基本的に返済期間は要件期間内である限り自由に設定できます。回数と年月で特に違いはありませんが、回数の場合は計算しやすいというメリットがあります。
以下、日本政策金融公庫の公式ページ内にある返済シミュレーションです。こちらのツールを使えば、いくら借りたら毎月返済がいくらだと予想を立てることができます。
まとめ
いかがでしたでしょうか?今回は、日本政策金融公庫で自社にあった返済シミュレーションを行う際の考え方について解説しました。
返済期間は、期間が短ければ返済額が少なめになり支払う利子も少なめになります。しかし、毎月きちんと返済できる額にするための返済期間を設定しないと、あとから苦労することになりますので、上記でお知らせした計画をしておきましょう。