未来を支える新たな形!購入型クラウドファンディングとは?
クラウドファンディングには様々な種類がありそれぞれ特徴は異なりますが、現在、最も多くのサイトが存在しているのが購入型クラウドファンディングです。
非投資型に分類されるものであり、支援者は金銭以外の特別なモノやサービスと言ったリターンを受け取る事が出来るのが特徴です。金銭的リターンはないものの、まだ市場に出回っていない新しいアイディアの誕生に立ち会う事ができ、アニメやゲーム、音楽や映画などのエンタメジャンルが充実している事から幅広い世代から高い支持を集めている日本国内では主流となるクラウドファンディングです。
今回は、購入型クラウドファンディングについてやメリット・デメリット、おススメサイトなどをご紹介していきます。
購入型クラウドファンディングとは?
「購入型クラウドファンディング」とは、事業者が、商品・サービスを開発するために不特定多数の人から出資を募り、その対価として開発した商品・サービスをリターンとして提供する資金調達方法のことをいいます。
購入型クラウドファンディングの方式
購入型クラウドファンディングは、集まった資金の受け取り方で、以下の2つの方式に分かれます。
- All or Nothing
- All in
それぞれについて説明していきます。
All or Nothing
「All or Nothing」とは、事業者の起案したプロジェクトが、目標金額に達してプロジェクトをスタートすることができる場合のみ、出資金を受け取れる方式をいいます。そのため、目標としていた金額に達さなかった場合には、プロジェクトをスタートさせることができず、事業者は出資金を受け取ることはできません。
このように、All or Nothing方式では、目標金額に達さないと、集まったお金は出資者に全額返金されることになるため、出資者にとってはリスクが低く、出資が集まりやすいといえます。
All in
「All in」とは、事業者の起案したプロジェクトが、目標金額を集めることができなかったとしても、事業者がそれまでに集めたお金を受け取ることができる方式をいいます。All in方式は、事業者にとっては、お金を必ず受け取れるというメリットがあります。
もっとも、目標金額に達していないため、プロジェクトが失敗に終わることも想定されます。その場合、出資者は、リターンももらえず、また、出資したお金も返してもらえないというリスクを負うことになるため、その意味ではデメリットが大きいといえます。そのため、出資者にとっては、All or Nothing方式によるよりも、出資することへの障害が高くなります。
以上のような特性を踏まえると、以下のようなケースであれば、出資者にとってもリスクが軽減されるため、出資を受けられる可能性が高くなると考えられます。
- プロジェクトを実施することが確実に決まっている
- 途中までプロジェクトを実施しているけど追加資金が欲しい
「購入型」にはお金の受け取り方に応じて2つの方式に分かれています。事業者は、どちらのタイプにすれば目標金額を集められるか、自社のプロジェクトの特性を踏まえて検討していく必要があります。
購入型クラウドファンディング「起案者」メリット・デメリット
起案者のメリット
中小企業の新しい資金調達の形として注目されている購入型クラウドファンディングには、大きく分けて以下のメリットがあります。
- 集まった資金に返済義務がない
- テストマーケティングを行なえる
- 資金調達とPR活動で認知度拡大
金融機関や民間企業から資金調達を行い融資を受けた場合、勿論そのお金は利息付きで返済しなければいけませんよね。融資されたお金は何に使っても良いというメリットがある一方、利息付きで返済しなければいけないというのは財務状況を悪化させますし、会社の信用情報を悪くする可能性があります。
しかしクラウドファンディングで調達した資金には返済義務はありません。購入型であればリターンはモノやサービスの提供ですから、まず返済義務のない資金を集める事が出来るというのは大きなメリットと言えるかと思います。
更にこのプロジェクトが本当に世間に評価され注目を集める事ができるものなのかどうかをテストする事も出来ます。当然資金が沢山集まり盛り上がれば、このままこのプロジェクトに資金を投資する価値はあると判断されますし、全く話題にならなければプロジェクトがスタートしても上手くいくかどうかは分からないと言った指標にできる訳です。資金調達PR活動で企業やモノやサービスの認知度をアップさせる事が出来るという事も大きなメリットであると言えます。
起案者のデメリット
返済義務のない資金を調達する事が出来ると同時に、注目を集めるモノやサービスであれば広告効果も絶大で企業アピールが出来るというメリットがある一方、大きなデメリットが3つあります。
- 魅力的なリターンを用意しなければならない
- 調達した資金を活動報告と共に共有する義務がある
- アイディア流出で真似されるリスクがある
購入型クラウドファンディングはプロジェクトを公開しただけですぐに資金が集まるという訳ではありません。広報活動が非常に大切ですし、色々な方の協力でPRを行なわなければ、相当魅力的な目標とリターンを用意しなければ目標資金を集める事は難しいでしょう。
更に資金調達したお金は、その目標に向かっている過程と何に幾ら使ったのかという事を支援者に共有しなければなりません。当然ですが銀行融資などで資金調達を行なえば何に使うのかも自由ですし報告義務もありませんが、クラウドファンディングで集めた資金の場合はそうはいきません。
自社で開発する予定の新製品や全く新しいサービス内容を全て公開して資金を集めるという手法なので、アイディアが流出して第三者に横取りされてしまうというリスクもあります。本来であれば自社で独自に開発を行い世に出すものであったにも関わらず、資金不足でネット上にアイディアを公開してしまったせいで、オンリーワンになれないという可能性があります。
購入型クラウドファンディング「出資者」メリット・デメリット
出資者のメリット
資金調達を行ないたい起案者のメリットデメリットは上記で紹介した通りですが、反対に資金を提供する出資者にはどのようなメリットデメリットがあるのでしょうか。まずは2つのメリットから紹介していきます。
- 通常では手に入らない特別なモノはサービスを得られる
- プロジェクト進捗状況を逐一知る事が出来る
上記でも説明したように、購入型クラウドファンディングは金銭的リターンはありません。変わりに得られるリターンは、プロジェクトが完成した後に手にいれる事が出来る、出資金額で異なる特別なモノやサービスです。映画であれば特別先行上映会への参加であったり、アニメや漫画であればサイン付きの非売品グッズのプレゼントなど、今まで出会った事がない新しいアイディアが搭載された商品やイベントに参加できるというのが最大のメリットです。
出資者は更にそのプロジェクトがどのような進捗状況なのかを知る事が出来ます。これは起案者により異なりますが、個人の方であればメールで進捗状況を教えてくれる事もありますし、企業であればサイトなどで知らせてくれたりします。自分が気になり賛同した企画がどのように進捗しているのかを逐一知る事が出来るというのは大きな感動を得られる特別なものですよね。
出資者のデメリット
日常生活では買う事ができず、得られる事が出来ない特別なサービスをリターンで受け取る事が出来るメリットがある一報で、当然ですが注意しなければいけないデメリットもあります。
- リターンがいつまでも届かないトラブル
- 必ずそのプロジェクトが成功するとは限らない
支援したのにいつまで経ってもリターンが届かないというトラブルは多くあります。大企業などではそのような事態が発生する事は少ないですが、個人の方へ支援する場合はトラブルに発展する可能性は高まりますので注意する必要があるでしょう。
更に目的に共感して支援してもそのプロジェクトが実際に成功するかどうかは分かりません。特に実現するかどうかが微妙で斬新でワクワクするような新しいものの場合は、うまくいかずに失敗に終わり、思ったようなリターンを得る事ができなかったというリスクは付き物です。
プロジェクト内用が実現するものなのかどうか、起案者の情報や今後のビジョンをきちんと考えながら出資をするのがよい方法です。実現までに長い年月がかかる可能性も否定できませんので、長い目で辛抱強く待つというのも大切です。
購入型クラウドファンディングのおすすめサイト紹介
日本で今一番盛り上がっている購入型クラウドファンディングは、日本で一番サービス提供しているサイトが多いクラウドファンディングであるとも言えます。融資型や投資型の場合は免許が必要なので気軽にサービスを開始する事が出来ないのですが、購入型には得に面倒な資格や免許が必要ありませんので参入が簡単であるという特徴があります。障壁が低い事から取り扱っているサイトが多いのです。
CAMPFIRE(キャンプファイヤー)
日本最大級のクラウドファンディングプラットフォーム。2017年度の購入型国内クラウドファンディングにおいて、年間支援プロジェクト成立件数第1位を誇ります。調達側の手数料17%
MotionGallery(モーションギャラリー)
映画、アート、音楽、写真、ゲーム、書籍などの創作活動に力を入れているクラウドファンディングプラットフォームです。プロジェクトの調達金額の最高記録は約4,000万円。調達側の手数料10%
BOOSTER(ブースター)
全国ショッピングセンターやエンタメ事業を展開する「PARCO」がサポートするクラウドファンディングサイトです。エンタメ系クラウドファンディングにおける課題に対応した手厚いサポートが特徴です。手数料12~5%+決済手数料5%(=17~20%)※※サポート内容によって手数料が変わります
Makuake(マクアケ)
株式会社サイバーエージェントのグループ企業である株式会社マクアケが運営するクラウドファンディングサイトです。独自の市場分析ツールやメディア掲載数5,000件以上の実績が強みです。プロジェクト実施中に伊勢丹新宿店の6店舗の常設スペースに商品を展示可能(審査あり)。ふるさと納税型のMakuakeガバメントもある。手数料は20%(決済手数料5%を含む)。
Readyfor(レディーフォー)
日本初・国内最大級のクラウドファンディングサイトです。2011年3月設立。調達側の手数料は、シンプルプラン手数料7%+決済手数料5%(=12%)、フルサポートプランはサポート手数料12%+決済手数料5%(=17%)。寄付型に特化したReadyfor Charityや、ふるさと納税を対象にしたReadyforふるさと納税、国際協力活動応援プログラムのReadyfor VOYAGEのほか、Readyfor 緊急災害支援プログラム、大学向けクラウドファンディングのReadyforCollege、社会的養護を必要とするこどもを支援するReadyforこどもギフトを展開している。
まとめ
購入型クラウドファンディングは単なる金銭的なリターンではなく、社会貢献によるお金に代えられないリターンや、珍しいニッチな商品やサービスを得られる魅力があります。そのため、投資というよりも、プロジェクトを運営する人たちへのファンとしての支援活動的な意味で使われるケースが比較的多くなっています。
但し、購入型クラウドファンディング案件が増えていく中、期待したリターンが得られない可能性もあります。出資前に出資先の事業者の信用性を確認し、慎重に検討することが大切になります。