契約者貸付制度とは?詳しい内容やメリット・デメリットについて解説
保険の制度の1つに、契約者貸付制度というものがあります。初めて聞いたという方もいるかもしれません。
そこで今回は、契約者貸付制度の詳しい内容やメリット・デメリットについて解説していきます。
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そもそも契約者貸付制度とは?
契約者貸付とは、保険契約をしている場合に保険会社から契約者に貸し付けをする制度です。保険を解約した際に払い戻される金額の範囲内で、7~9割程度の借り入れができます。もちろん返済は必要で金利もかかりますが、審査がなく、数日~1週間程度と比較的短期間で入金されることが多いので、急ぎで資金が必要なときには便利でしょう。返済をしている限りは保険契約も継続されるので安心です。
ただ、解約返戻金のある保険に限られるため、掛け捨て保険の場合は対象外です。また、返済を長引かせると金利がかさみ、「元金+金利」が解約返戻金の額を超えてしまうケースがあります。そうなると、保険が失効されてしまいます。「返済できなくなっても、保険がなくなるだけですむ」と考えることもできますが、保険を失効したくなければきちんと返済し続けることが必要です。
契約者貸付制度の利用条件について
契約者貸付制度は、その名のとおり、保険の契約者のみが利用できる制度となっています。例えば契約者が夫で、被保険者が妻、そして保険金の受取人が子であったとしても、利用できるのは契約者である夫だけです。
少々条件がきびしいと感じるかもしれませんが、制度の悪用を防ぐ、防波堤の役割も果たしているといえるでしょう。
契約者貸付制度のメリット・デメリット
ここからは、契約者貸付制度のメリット・デメリットについて解説していきます。
契約者貸付制度のメリット
保険を継続したまま借り入れができる
契約者貸付制度を利用した場合、保険を解約する必要なく、借り入れを行うことができます。契約者貸付制度がもしなければ、どうしてもお金が必要で、解約返戻金から工面しなければならない状況になったとき、当然ながら保険は解約してしまうので、今後の保障は受けられなくなります。
また、その場を無事乗り切ることができたとしても、再度保険に入るときは、あらためて加入申し込みをしなければなりません。そうなると、年齢に応じて保険料は上がるため、以前に申し込んでいたときよりも高額の保険料を支払わなければならなくなります。また、健康状態が悪いと、加入そのものを断られてしまうかもしれません。
さらに、解約返戻金は、基本的には保険料の払い込みが終了するころに、これまで支払った分に見合う額が返ってくるものです。とくに、保険料払込期間中の返戻率を低くすることで保険料を抑えている低解約返戻金型の生命保険の場合は、払い込みが終わる前に解約した場合、解約返戻金がこれまで払った金額を大きく下回ってしまいます。いままでの支払いが無駄になるとはいえませんが、あまりうれしいことではありません。ですので、保険を解約せずにお金が借り入れられるというのは、非常に大きなメリットといえるのです。
カードローンよりも金利が低い
契約者貸付制度に適用される金利は、保険会社や保険金額によって多少変動しますが、2~6%程度となっており、カードローンといった金融商品に比べて、金利が低くなっています。金利が低いということは、それだけ返さなければいけないお金の額も小さくなるということですから、大きなメリットといえます。
また、契約者貸付制度には、ローンのように毎月決まった日に決まった額を返済しなければいけないという定例返済をとっておらず、好きなタイミングで返済することができます。
借り入れ時の審査が不要
契約者貸付制度は、自分自身がこれまで積み上げてきたお金を元に借り入れを行うので、利用の際の審査が必要ありません。その他の金融商品では、基本的には利用時に審査が行われ、希望の額が借りられなかったり、場合によっては借りることすら断られてしまうケースもありますから、審査不要でお金が借りられるというのは、非常にありがたいポイントです。
契約者貸付制度のデメリット
次に契約者貸付制度のデメリットについて説明します。
返済しないと保険が失効する可能性がある
審査不要、かつ低金利で借りられることが契約者貸付制度のメリットですが、それでも金利は発生し、返済の義務も生じます。返済しないままでいると、どんどん利子が増えていき、場合によっては借入残高が解約返戻金の額を超えてしまうこともあります。
そうした場合、返済を迫られるだけでなく、保険そのものも解約されてしまう可能性があります。そうなってしまっては、返済の負担と将来へのリスクの両方を背負うことになるため、気を付けなければいけません。
借入金額が保険金から相殺される
契約者貸付制度は、いわばお金の前借りに近いものですので、もしも制度利用中に保険金が支払われるような事態になると、保険金と借入金額が相殺されます。例えば、1,000万円の死亡保障があるなか、契約者貸付制度を利用して100万円を借りていた場合、死亡時に支払われる保険金は1,000万円から100万円と利子の合計額が引かれて支払われることとなります。
保険金を想定どおりに残せないということは、残された遺族などに負担をしいることになるため、注意してください。
まとめ
いかがでしたでしょうか?今回は、そんな契約者貸付制度の詳しい内容やメリット・デメリットについて解説しました。
契約者貸付制度を利用すればお金を工面できるかもしれませんし、保険も解約せず続けることが可能です。ただし、保険の目的は、死亡時や病気になったときの保障や、教育費や老後資金などの準備をすることです。貸付を受ける場合はよく検討し、計画的に返済を進めて下さい。