不動産担保ローンの利用における「リスク」とは?
不動産担保ローンは、自分が保有している「不動産」を担保に入れ、融資を受けることができるローンのことですが、一般的に、無担保ローンより金利が低く、返済期間が長く設定出来るため、月々の返済額を抑えられるというメリットがあります。また最大融資額が大きいという点も魅力の一つです。ただし、「不動産担保ローン」には「リスク」も潜んでいます。
そこで今回は、不動産担保ローンの利用における「リスク」についてお知らせします。
そもそも不動産担保ローンとは?
不動産担保ローンとは、不動産を担保にしてお金を借りることができるローンのことです。一般的に、不動産は土地や建物、マンションなどを指しますが、お金を融資する金融機関によっては、別荘などを担保にすることもできます。
また、お金を借りる本人の名義の不動産に限定している金融機関もあれば、両親や配偶者といった家族が所有している他人名義の不動産、あるいは、法人が所有している法人名義の不動産を担保にできるところもあります。借りるお金の使途については、限定をされないフリーローンが一般的ですが、事業の運転資金といった「事業性資金」には使えないケースも少なくありません。
不動産担保ローンのリスクとは?
不動産担保ローンには、意外にもさまざまなリスクが隠れています。どのようなリスクがあるのか、以下からの内容をしっかりと確認しておきましょう。
返済されない場合は「不動産」を売却する必要がある
不動産担保ローンのリスクとして、まず挙げられるのが「不動産の売却が必要となる場合がある」という点です。仮に、何らかの理由で金融機関に返済ができなかった場合、担保としている不動産を売却する必要があります。大切な不動産を手放すことになるかもしれない、ということを頭にいれておかなければなりません。
担保割れの場合は残額の返済が必要
返済が難しくなり、不動産を売却したとしても「担保割れ」となることがあります。万が一担保割れになった場合は、不動産売却後も残金を支払い続ける必要があるのです。必ずしも「不動産を売却すれば解決」となるとは限りませんので、注意してください。
途中解約(繰り上げ返済)の場合、違約金がかかる可能性がある
一般的にどの金融機関でも途中解約(繰り上げ返済)を受け付けていますが、手数料や違約金などがかかる可能性があります。手数料などの金額は金融機関によって異なりますが、返済額の3%程度としている金融機関もあれば、不要とする金融機関などさまざまです。なお、違約金がかかる場合には、消費税がかかることも知っておきましょう。
追加で担保を要求される可能性がある
不動産の価値は景気をはじめ、さまざまな要因で変動するものです。不動産担保ローンの申込みを受けた金融機関は不動産の下落リスクも想定しながら不動産鑑定を実施するものの、長い貸付期間の間には担保となっている不動産の価値が下落する可能性はゼロではありません。
当初想定していた範囲を超えるような大幅な下落が起こる場合には、追加で担保を要求される可能性もあります。
融資を受けるための諸費用が必要になる
不動産担保ローンを利用して融資を受けるには、さまざまな費用がかかります。ローンによって融資を受けられますが、別途費用はかかります
- ローン事務手数料
- 抵当権設定の登記費用
- 司法書士への報酬
- 印紙税
これらの費用がいくらかかるかは、金融機関ごとのローン商品や借り入れ額などによって異なります。初期費用だけで30万円程度かかることもあるので、これも頭に入れておきましょう。
担保にしていることが銀行に知られる
不動産担保ローンを組んで不動産を担保に設定すると、そのことを別の銀行に知られる可能性があります。これは抵当権が設定された不動産は情報が公開されているからであり、銀行がこの情報をキャッチするからと考えましょう。
抵当権が設定されていることを銀行に知られると、追加融資などの際に融資が受けづらくなることがあります。融資が受けづらくなるのは、担保にしている不動産があることで他社でも借り入れがあると判断されて、支払いが滞るリスクが高いと思われることが理由です。
抵当権のついた不動産はこれを外さないと売却ができず、いつまでもその情報が残ります。
まとめ
不動産担保ローンの利用を検討しているのであれば、必ず「リスク」を把握しておく必要があります。不動産担保ローンの融資額は決して安価なものではありません。だからこそ、先を見据えて計画を立てることが大切です。不動産担保ローンのリスクを回避するためにも、「具体的なリスク」「注意点」をあらかじめ把握しておきましょう。