トリミングサロンでの開業の資金調達方法
ペットショップや・ペットサロンで、ある程度の勤務年数を経ることで技術や経験、ノウハウなどがついてくると、独立・開業を視野に入れる方も多いのではないでしょうか。
今回は、トリミングサロン(ペットサロン)の開業方法や、開業資金の資金調達方法をご紹介します。
トリミングサロンの開業スタイル
トリミングサロンやペットサロンの開業スタイルは大きく分けて以下のパターンがあります。
専門店舗型サロン
店舗となる場所を借りるもしくは購入などで開業するスタイルです。家賃などの経費はかかりますが、立地を選んで開業できるため、集客などがある程度見込めるといったメリットがあります。
自宅サロン
自宅を改装して開業するスタイルです。内装工事費などは発生しますが、家賃の負担がないため固定費を押さえられるのが一番のメリットです。
出張・移動トリミングサロン
ペットを飼っている家庭に訪問し、トリミングを行うスタイルです。飼い主やペットが高齢で外出するのが難しい場合などにニーズがあります。また、ワゴン車など車の中でトリミングを行うケースもあり、ショッピングモールなどの駐車場を借りて事業を行うスタイルもあります。店舗を持たない分、経費を抑えてスタートできるのが魅力です。
併設型サロン
ペットショップや動物病院に併設するスタイルです。施設を訪れた方が依頼するケースも多く、新規顧客やリピーターを取り込みやすいというメリットがあります。
トリミングサロン開業にあたって必要な資格や手続き
トリミングサロンやペットサロンを開業するためには、「動物取扱責任者」の資格が必要となります。動物取扱責任者の資格はトリミングサロンやペットサロンの開業には必須の資格で、この資格を取得しないことにはトリミングサロンやペットサロンの独立開業はできません。また、トリミングサロンやペットサロンだけでなく、ペットショップやブリーダー、動物園などの運営にも必要な資格です。
トリミングサロンの開業に必要な資金
トリミングサロンの開業に必要な資金には、店舗の敷金礼金や家賃、店舗改装費、ドッグバス、トリミングテーブルといった設備や備品の導入費、集客のための広告宣伝費、シャンプーやコンディショナーといった消耗品の費用、そして人件費などの運転資金が含まれます。店舗自体にかかる費用は立地や内装によって大きく変わってきます。また、店舗を借りて開業する場合と自宅を改装して開業する場合など、開業スタイルによっても異なります。
例えば、地方で自宅の一部を改装し、最低限の設備だけで開業する場合には一般的に100~300万程度必要と言われていますが、都心で店舗を借りて内装もしっかりと行った場合などは1,000万円以上かかる場合もあります。
開業資金をどこから調達すればいいのか?
開業するにあたり、自己資金、いわゆる貯金だけで開業できればいいですが、なかなか日々の生活費なども考えると難しい所です。では自己資金以外でどこから調達すればいいのでしょうか?
日本政策金融公庫
日本政策金融公庫とは、2008年10月1日に、国民生活金融公庫、農林漁業金融公庫、中小企業金融公庫の3つの金融機関が統合して発足した100%政府出資の政策金融機関です。全国に支店網があり、固定金利での融資や、長期の返済が可能など、民間の金融機関より有利な融資制度が多く、設立間もない法人やこれから事業を始めようとする人に対して積極的に融資しているのが特徴です。
一般的な創業者に関係する事業は、国民生活事業になり、国民生活事業は事業資金の融資がメイン業務で、融資先数は117万先にのぼり、1先あたりの平均融資残高は877万円と小口融資が主体です。融資先の約9割が従業者9人以下の小規模事業者です。
創業者向け融資制度である「新規開業資金」は、営業実績が乏しいなどの問題を抱える、幅広い方の創業・スタートアップの資金調達を重点的に支援しています。
信用保証協会付の融資
「信用保証協会」という公的機関に保証人をしてもらい、民間の金融機関から融資を受ける制度です。また独自の融資制度を設けている自治体も多くあります。貸倒のリスクを信用保証協会が背負うので、実績のない創業者でも民間金融機関から融資を受けるられる可能性が高くなります。万が一返済が不可能になった場合は、信用保証協会が代わりに金融機関に返済し、その後債務者は、信用保証協会に返済することになります。信用保証協会は全国各地にあり、地域ごとに創業者向けの保証制度を設けています。
手続きの手順としては、信用保証協会に保証の承諾を受け、金融機関から実際の融資を受けるという流れになります。金融機関による融資審査もあるので、金融機関と信用保証協会の双方の承諾が必要となります。
親族、友人・知人からの借入
親族・知人から借入をする際には、その人の好意でお金を借りることになります。先々トラブルにならないようにしっかりとした取り決めをおこなっておくことが重要です。いくら近い間柄とは言え、お金を貸す側の心理としては複雑なものです。また、後々トラブルになりやすい資金調達法でもあるため、甘えてしまわないよう入念な説明と借用書などを交わすなど、お互いが納得のいく取り決めをしっかりとしておきましょう。
その他注意点として、借入ではなくお金をもらう場合には、110万円を超える金額については贈与税の対象となります。
補助金の活用
融資以外の資金調達手段に国や都道府県などの自治体が行う補助金制度を活用することもできます。主に補助金は、政策の目的に合わせて行う設備投資の投資額に対して一定の割合が補助されます。開業時にのみ活用できる補助金制度もありますので、常に情報を収集しておくことが重要です。ただし、補助金は原則後払いになります。そのため、一定の自己資金を用意する必要があります。
トリミングサロン開業にあたっての留意点
基本はサロン(カットサービス)を目的としますが、飼い主とのコミュニケーションも重要になってきます。飼い主からの相談、ペットの健康状態や病気の有無などを知らせることなど、手入れ以外にアドバイザー的な知識やスキルも必要となってくるので、犬の育て方やしつけはもちろん、簡単な獣医学・犬の行動学・手入れ方法・犬のスタンダード(犬種の理想姿)の把握・犬の栄養学・接客方法などについても必要な知識だといえるので、絶えず勉強は必要です。
そして、多くのペットサロンにペットホテルが併設されていたり、最低限の商品がならんでいるショップの機能も同時についたお店になってしまいます。後に、出来れば独立開業する前に、ペットショップなどで経験を積んでおくことは重要になっています。一般開業時のサロンの規模は小さくアットホームな感じになります。そのため、お客様の声がダイレクトに伝わる場所にもなります。リピーターにつながるかはサービスのレベルも重要になります。
まとめ
いかがでしたでしょうか?今回は、トリミングサロンでの開業方法や、開業に際しての資金調達方法をご紹介しました。
多くの人にとって開業で一番の難関となるのが開業資金の調達です。開業資金を抑えたい人は独立店舗や自宅開業にこだわらず、移動トリミングや訪問トリミングのように開業資金が比較的少なくてすむ方法も視野に入れましょう。
