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書店での開業の資金調達方法


本が好き、あるいは自分の好きな本を周りにもっと知ってもらいたい人は、本屋の経営に興味があるかと思います。

今回は、書店での開業についてや開業に際しての資金調達方法をご紹介しますので、書店開業を検討している方は参考にしてみて下さい。

本屋を開業するのに必要な手続き

本屋を開業するにあたって許可が必要となるかどうかは、取り扱う本が新刊のみか、古本を含むのかで異なります。新刊のみであれば許可は不要ですが、古本など中古品を売買する場合は、古物営業法により古物商の許可を各都道府県の公安委員会に申請します。

商品である本を仕入れるために、取次会社との契約も必須となります。取次会社は日販やトーハンの大手取次が代表的であり、開業支援も行っているので、相談してみることをおススメします。首都圏で開業する場合は、「神田村」と呼ばれる中小取次業者のグループを活用する手もあります。それぞれ得意分野があり、大手に比べて小回りが利くなどのメリットがあるので、使い勝手の良い業者を見つけるのがよいでしょう。

個人事業主として行う場合、一般的な手続きとして、個人事業の場合、個人事業の開廃業等届出書、所得税の棚卸資産の評価方法・減価償却資産償却方法の届出書、青色申告承認申請書等を納税地の所轄税務署へ提出します。また、個人事業開始申告書は事業所所在地の都道府県税事務所へ。詳しくは、最寄りの管轄行政に問い合わせが必要です。

法人として会社を設立する場合、定款作成、会社登記をし、法人設立届出書、青色申告の承認申請書、給与支払事務所等の開設届出書、源泉所得税の納期の特例の承認に関する申請書、法人設立届出書(地方税)などを提出します。

出版物の取次との取引に関して

新刊商品を扱う取次会社と契約する上で発生するお金が保証金です。新刊を含む商品は、仕入の度に決済する方式ではなく、先に商品をおくり月末にまとめて請求/支払いをする方式です。したがって万が一支払いが困難になったときのために、取引額に応じた担保を設定しなければなりません。信認金(現金の預託)という場合もあります。

書店の開業タイプ

セレクトショップ型

大型店やチェーン店、ネット書店との差別化を図り、小さくてもコンセプトやテーマをはっきりと打ち出した独自の品揃えが特色になります。1つのテーマのもと、小説、エッセイ、絵本、写真集、洋書、雑貨などジャンルを横断した品揃えを行い、定期的にブックフェアやイベントを展開します。

カフェ、ギャラリー併設型

本屋の一角にカフェやギャラリー等を併設することで、本を買う目的以外の客の来店を促すことができます。ギャラリーでは展示以外にトークイベントやミニコンサートを行うこともあります。

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書店の開業に必要な資金

書店の開業に必要な資金は以下になります。規模にもよりますが、店舗を構えるのであれば500万程度は用意しておきましょう。

店舗

店舗を借りて営業する場合には、保証金(通常6~10か月分)がかかります。テナント料(賃料)も2~3年おきの契約更新時に増額を求められるケースもあります。ショッピングセンターのように共同店舗だと、テナント料以外に駐車場や宣伝広告費などの共益費用の負担もあります。また自宅の一部を使って営業する場合は毎月のテナント料の支出はなくても、改装費用などの支出が生じます。地域に開店を知らせる宣伝広告費も準備します。景品として粗品を準備するケースが多いです。

店内設備

店内設備は以下が必要になります。

  • 書棚+什器備品
  • 内装費用
  • 店頭サイン/看板
  • 空調一式
  • 事務用品
  • BGM(任意)/li>

さらに、万引き防止対策のために、防犯カメラ、入口ゲート、バックヤードモニターなどを組み合わせることで大きく変動します。最近は「木」の素材感も流行っており、書棚をDIYで手作り感あふれる売場を作られている方も増えています。その場合は材料費で済みます。

書店の運転資金

まずは毎月発生する経費費用をまとめます。中でも特に費用の大きいものは、仕入代金(買掛金)、人件費、家賃になります。

本の売上原価は70~80%ですが、仕入は月の売上よりも若干多くなります。売上に対する人件費率は一般的に10%前後という調査があります。同じく家賃の比率は立地によって開きがありますが、8~10%程度見ておきましょう。その他の販売管理費には広告や包装・発送費などの販売費、水道光熱費や車両、リースなどの販売管理費、保険や社用交通費などが含まれます。

商品の仕入代金について

本の流通には委託制度があり、一定期間内ならば返品が可能ですが、店頭に送品された商品は一旦請求が立ち書店は支払いが生じます。また売上の季節変動もあり、特に12月は月平均の2割ぐらい売上が増えるので、その分の仕入が1~2か月前に発生します。その意味でも運転資金の準備は重要になります。

開業資金をどこから調達すればいいのか?

開業するにあたり、自己資金、いわゆる貯金だけで開業できればいいですが、なかなか日々の生活費なども考えると難しい所です。では自己資金以外でどこから調達すればいいのでしょうか?

日本政策金融公庫

日本政策金融公庫とは、2008年10月1日に、国民生活金融公庫、農林漁業金融公庫、中小企業金融公庫、国際協力銀行の4つの金融機関が統合して発足した100%政府出資の政策金融機関です。全国に支店網があり、固定金利での融資や、長期の返済が可能など、民間の金融機関より有利な融資制度が多く、設立間もない法人やこれから事業を始めようとする人であっても、融資を受けやすいのが特徴です。

一般的な中小企業に関係する事業は、国民生活事業になり、国民生活事業は事業資金の融資がメイン業務で、融資先数は88万先にのぼり、1先あたりの平均融資残高は698万円と小口融資が主体です。融資先の約9割が従業者9人以下であり、約半数が個人企業です。サラリーマンには馴染みではないですが、理由として、銀行のように口座はなく、貸付のみだからになります。

創業者向け融資制度である「新創業融資制度」や認定支援機関の助言があれば無担保・無保証、金利が安価になる「中小企業経営力強化資金」という融資制度がお勧めです。

信用保証付の融資

「信用保証協会」という公的機関に保証人になってもらい、民間の金融機関から融資を受ける制度です。貸倒のリスクを信用保証協会が背負うので、実績のない創業者が民間金融機関から融資を受けることが可能となります。万が一返済が不可能になった場合は、信用保証協会が代わりに金融機関に返済し、その後債務者は、信用保証協会に借入金を返済することになります。信用保証協会は全国各地にあり、地域ごとに創業者向けの融資制度を設けています。また独自の融資制度を設けている自治体も多くあります。

手続きの手順としては、信用保証協会に保証の承諾を受け、金融機関から実際の融資を受けるという流れになります。また各自治体の制度を利用する場合は、自治体の窓口を経由することになります。

親族、友人・知人からの借入

親族・知人から借入をする際には、その人の好意でお金を借りることになります。先々トラブルにならないようにしっかりとした取り決めをおこなっておくことが重要です。いくら近い間柄とは言え、お金を貸す側の心理としては複雑なものです。また、後々トラブルになりやすい資金調達法でもあるため、甘えてしまわないよう入念な説明と借用書などを交わすなど、お互いが納得のいく取り決めをしっかりとしておきましょう。

その他注意点として、金額によっては贈与税を納めなくてはならないので、実施する場合は、贈与とみなされないよう書面(金銭消費貸借契約書)を作成したほうが良いでしょう。また、利息など契約内容も明確にし、返済は銀行口座を通じたり、領収書をもらうなどして、証拠を残したほうが良いでしょう。

まとめ


近年、本のオンライン販売や電子書籍の普及などによって、実店舗型の本屋の経営は厳しいといわれています。実際、書籍・雑誌小売業の売上高は減少傾向にあります。本屋を長期間経営していくには、利益を上げ、戦略的な集客が必要になってきます。

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