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学習塾の開業する際の資金調達方法について


自分の知識や経験を活かして学習塾を経営したいと考えている方は少なからずいるかと思います。では学習塾で開業する為にはどのような手順で進めるのでしょうか?

今回は、学習塾開業についてや資金調達方法を解説していきます。

学習塾を始めるのに特別な営業許可は必要ない

学習塾を開くにあたっては、飲食店のような特別な許可・認可は必要ありません。個人で始める場合には税務署に開業届を提出するだけで開業費用は発生しません。そして、最初は手軽に自宅の一室を教室として使って始める事が可能です。自分の知識や経験があれば、ほとんどお金をかけずに始めることができます。

開業する場合の手続き

個人事業主として行う場合、一般的な手続きとして、個人事業の場合、個人事業の開廃業等届出書、所得税の棚卸資産の評価方法・減価償却資産償却方法の届出書、青色申告承認申請書等を納税地の所轄税務署へ提出します。また、個人事業開始申告書は事業所所在地の都道府県税事務所へ。詳しくは、最寄りの管轄行政に問い合わせが必要です。

法人として会社を設立する場合、定款作成、会社登記をし、法人設立届出書、青色申告の承認申請書、給与支払事務所等の開設届出書、源泉所得税の納期の特例の承認に関する申請書、法人設立届出書(地方税)などを提出します。

学習塾を開業するメリットデメリット

メリット

少ない開業資金で始める事が出来る

学習塾を開業する場合、個人事業又はフランチャイズで開業することになるでしょう。フランチャイズで開業する場合は約1,000万円程度の契約金が必要になることがありますが、個人で開業する場合、自宅で開業する場合、開業費用を大幅に節約することが可能になります。

在庫を抱えるリスクが低い

飲食店や雑貨屋を開業する場合、販売する商品の仕入れが必須です。商品の仕入れを上手に行わなければ、売れ残って在庫を抱えることになるでしょう。しかし、学習塾を開業する場合、教材などの購入は必要になりますが、生徒数に合わせて発注すれば良いので、無駄な仕入れをするリスクが少なくなるでしょう。

デメリット

優秀な人材が必要

学習塾を開業する場合、講師が必要になります。自分で出来れば問題ないですが、雇う場合、教える科目の知識がある優秀な人材の雇用が必要です。

集客が難しい

現在、競合他社や少子化の問題で集客が難しくなっています。特に小学生を対象とする塾の場合、影響が出てきます。

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学習塾の始める為にはコンセプトを考えることが重要

手軽に始めることが出来る学習塾ですが、競合と呼ばれる教室は沢山あります。その中で勝ち抜くためには独自性やコンセプトを考える必要があります。コンセプトの考え方は以下になります。

ターゲット層を考える

学習塾のターゲット層を決まるときは、自分は「小学生対象、中学生対象、高校生対象なのか」、「〇〇専門なのか」をはっきりさせると、ターゲットを把握しやすくなります。ターゲットの年齢・保護者の平均所得・職業などの視点から、具体的にターゲットを想定しましょう。

指導内容を考える

学習塾の指導内容は、何を重点的に教えるかによって変わってきます。

  • 補習塾:学校の教科書を基に指導して、授業で理解できなかった箇所を教え、子供たちが学校の勉強についていけるようにする
  • 進学塾:教科書の内容はもとより、それよりもレベルの高い知識を教え、常に受験を意識しながら、それぞれの子供たちが目標としている中学や高校に合格させるための指導を行う
  • 総合塾:補習塾と進学塾の両方の役割を担う

開業するにあたり、何を重点的に指導していくのか、明確にしておく必要があります。

指導スタイルを考える

学習塾は、その指導スタイルから、一斉指導と個別指導に分けられる。一斉指導は、数十人程度でも一度に指導することができて、教える側から見れば効率的ですが、黒板を使っただけの指導で、そこにいる生徒全員を理解させるには相当な指導力が必要となります。

これに対し、個別指導は、1人ひとりの実力に応じてマンツーマンでキメ細やかに指導することができますが、1度に指導できる生徒の人数は限られてしまい、月謝収入の面からみれば効率が悪くなります。その他、最近では「eラーニング」「Youtube」などのインターネットを活用した学習塾のスタイルも多く出てきています。

このように、どのような指導スタイルがいいのか、今までの自分の事業経験、採算面、成績を上げるためにはどう教えるのがベストなのか、明確に決めておく必要があります。

個人で運営するか、フランチャイズに加盟するか

学習塾で開業する場合、法人という方法もありますが、多くは個人かフランチャイズに加盟するかに分かれます。

個人で学習塾を開業する場合

個人で開業する場合、税務署に開業届を提出すれば出来ます。

自分が思うようなカリキュラムをつくって、授業時間や授業曜日、授業回数、指導科目とその内容、そして毎月の月謝も自由に決めて運営していくことができます。自宅の場合は事務用品や備品、教材費、広告宣伝費などが必要で、場所を借りる場合には、事務用品や備品、教材費、広告宣伝費などに加え、場所代、机や椅子、人を雇うのであれば人件費もかかり、おおよその目安として200万~300万の開業資金が必要になってきます。

フランチャイズで開業する場合

フランチャイズに加盟する場合には、加盟する本部が塾経営のノウハウを継続的に教えてくれ、全国一律の塾名を使用でき、大手加盟店の場合、生徒募集の時期になると大々的にテレビコマーシャルもしてくれ、新聞や教育雑誌などに宣伝をのせてくれる可能性があります。

しかし、フランチャイズに加盟するには、加盟企業にもよりますが、数百万程度の加盟金が必要となり、加盟後は月謝に対するロイヤリティが必要になります。また、教材も指定されたものを購入する必要もあります。

学習塾の開業は何にいくらお金がかかるのか?

学習塾の開業はいくらお金がかかるかというと、その塾の運営の仕方によって大きく変わります。

例えば教室を賃貸物件にするか、個人の自宅で行うかによってでだいぶ必要な金額は異なります。その他、自分以外の講師を雇うのか、広告費にどのくらい使うのかによっても異なるでしょう。

教室を賃貸物件にする場合には、やはり少なくとも300万円くらいの資金が必要と思っておきましょう。その他、机や椅子、黒板(ホワイトボード)、パソコンやコピー機などのオフィス用品などを一から用意する場合、100万円くらいが必要です。フランチャイズの場合は100~300万円程度の加盟金も掛かります。

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開業資金をどこから調達すればいいのか?

開業するにあたり、自己資金、いわゆる貯金だけで開業できればいいですが、なかなか日々の生活費なども考えると難しい所です。では自己資金以外でどこから調達すればいいのでしょうか?

日本政策金融公庫

日本政策金融公庫とは、2008年10月1日に、国民生活金融公庫、農林漁業金融公庫、中小企業金融公庫、国際協力銀行の4つの金融機関が統合して発足した100%政府出資の政策金融機関です。全国に支店網があり、固定金利での融資や、長期の返済が可能など、民間の金融機関より有利な融資制度が多く、設立間もない法人やこれから事業を始めようとする人であっても、融資を受けやすいのが特徴です。

一般的な中小企業に関係する事業は、国民生活事業になり、国民生活事業は事業資金の融資がメイン業務で、融資先数は88万先にのぼり、1先あたりの平均融資残高は698万円と小口融資が主体です。融資先の約9割が従業者9人以下であり、約半数が個人企業です。サラリーマンには馴染みではないですが、理由として、銀行のように口座はなく、貸付のみだからになります。

創業者向け融資制度である「新創業融資制度」や認定支援機関の助言があれば無担保・無保証、金利が安価になる「中小企業経営力強化資金」という融資制度がお勧めです。

信用保証付の融資

「信用保証協会」という公的機関に保証人になってもらい、民間の金融機関から融資を受ける制度です。貸倒のリスクを信用保証協会が背負うので、実績のない創業者が民間金融機関から融資を受けることが可能となります。万が一返済が不可能になった場合は、信用保証協会が代わりに金融機関に返済し、その後債務者は、信用保証協会に借入金を返済することになります。信用保証協会は全国各地にあり、地域ごとに創業者向けの融資制度を設けています。また独自の融資制度を設けている自治体も多くあります。

手続きの手順としては、信用保証協会に保証の承諾を受け、金融機関から実際の融資を受けるという流れになります。また各自治体の制度を利用する場合は、自治体の窓口を経由することになります。

親族、友人・知人からの借入

親族・知人から借入をする際には、その人の好意でお金を借りることになります。先々トラブルにならないようにしっかりとした取り決めをおこなっておくことが重要です。いくら近い間柄とは言え、お金を貸す側の心理としては複雑なものです。また、後々トラブルになりやすい資金調達法でもあるため、甘えてしまわないよう入念な説明と借用書などを交わすなど、お互いが納得のいく取り決めをしっかりとしておきましょう。

その他注意点として、金額によっては贈与税を納めなくてはならないので、実施する場合は、贈与とみなされないよう書面(金銭消費貸借契約書)を作成したほうが良いでしょう。また、利息など契約内容も明確にし、返済は銀行口座を通じたり、領収書をもらうなどして、証拠を残したほうが良いでしょう。

安価に始めるポイントについて

安く始めるポイントは、他の講師を雇わず自分一人で行うこと、自宅を教室にすること、机や椅子なども自宅にあるもので済ますこと、無料ホームページやSNSでのみ宣伝すること、などが挙げられます。こうすれば、他に必要な資金は教材費くらいになります。

まとめ


いかがでしたでしょうか?学習塾は個人で開業することができ、飲食店のように在庫を抱えることも少ないので、手軽にできるビジネスといえますが、フランチャイズに加盟したり、宣伝費用を多く使ったりするなど、当初考えていた費用よりオーバーする可能性がありますので、しっかりと下調べをしてから検討しましょう。

記事のお問い合わせは
下記メールアドレスにてお問合せください。

株式会社ベクターホールディングス
kigyou@vector.co.jp

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