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夢の実現へ!歯科医院を開業するためのステップ


歯科医院は、一説には「コンビニエンスストアより数が多い」と言われるほど供給過多の傾向になっており、多額の開業資金もかかることから、経営に失敗して廃業する件数も少なくありません。

今回は、歯科医院での開業について解説していきます。

資格とキャリアパス

日本において、その職務等に関しては、歯科医師法により規定されている。業務独占資格および名称独占資格の医療資格です。 歯科医師は、虫歯や歯周病の治療を中心に、歯並びの矯正、抜歯やインプラントなどの外科的治療に加えて口腔領域の良性・悪性腫瘍の治療などを行います。

歯科医師になるには、大学の歯学部もしくは歯科大学を卒業し、歯科医師国家試験に合格して歯科医師免許を取得しなければなりません。免許取得後、1年以上の臨床研修を経て、ようやく歯科医師として働くことができます。

歯科医師免許取得者の多くは、病院もしくは歯科医院に就職しています。近年では、矯正歯科や小児歯科、審美歯科など、専門医の割合が増加してきています。

開業までの流れについて

テナントでの開業の準備は開業予定日から最低でも半年から1年前には検討を開始していないと間に合いません。

まず診療方針や歯科医院のコンセプトを検討して、エリア選定の優先順位付け(立地・人口・患者数予測など)を検討します。エリアを選定したら、テナントでの開業プランの検討が必要になってきます。

そして検討段階の後は準備段階に入ります。金融機関に開業資金を借入するには、事業計画書が必要です。その他、開業準備品リストの作成、開業コンサルタント、金融機関、開業地・設計・建築業者の見積もり依頼・決定へと準備が必要です。実施段階2ヶ月程前からいろいろな申請届け出や手続きが必要です。申請の時期が重なりますのでご注意ください。

必要な手続き

歯科医院を開業するときは「個人事業主」としての開業届を税務署へ提出する必要があります。また、歯科医院を経営して得た利益は給与所得ではなく事業所得に勘定されるため、確定申告が必要です。確定申告には「白色申告」と「青色申告」の2つがありますが、損失の繰り越しなど税制面でさまざまな優遇措置のある青色申告で行う方がよいでしょう。

その他、従業員を雇うのであれば「労働基準監督署」や「公共職業安定所」への届出が必要となります。 さらに、歯科医院のように診療行為を行う施設の開業には、保健所や都道府県知事への届け出が必要です。実務的には両方の書類を同時進行で作成し、診療所を開業する前に期間に余裕をもって提出するとよいでしょう。

また、保健所からの実地検査は必ず行われることになっています。実施日は保健所へ「診療所開設届」を提出したときに決定されることになっており、基本的には先着順であるため必ずしも希望日時に受けられるわけではないので注意しましょう。

診療科目

医療法によって規定される、歯科で標榜出来る診療科目は以下の4つになります。

  • 歯科
  • 矯正歯科
  • 小児歯科
  • 歯科口腔外科

その他、審美歯科、補綴科、保存科、歯周科、高齢者歯科、障害者歯科、歯科麻酔科、歯科放射線科、口腔内科などの科を持つ歯科医院や大学病院があります。

歯科医院で働く人

歯科には歯科医師の他に、歯科予防処置、診断・治療の補助や患者指導などを行う歯科衛生士、歯冠修復物などの各種技工物を作製する歯科技工士、雑務を受け持つ歯科助手などが働いております。

患者を増やすための工夫とは?

人気を高め、経営を成功されるにはどうすればいいかというと、まず大事なのは差別化を図るということです。クリニック間の患者獲得競争が激しくなりつつある現在、他院にはない特色を持つことは大きな武器となります。これは、開業場所の地域特性とも大きく関わってきます。たとえば人口移動の少ない地域であれば予防医療に力を入れることでリピーターを増やすことを目指し、ファッションに敏感な若年層や富裕層が多く住む地域では審美医療に特化するといった具合です。

また、これは歯科医院に限りませんが、従業員教育の行き届いたクリニックは自然と人気が高まる傾向にあります。医療機関も広い意味でのサービス業に含まれる以上、歯科医本人を含めたスタッフの言葉遣い・表情・挙措動作などは患者の心証を大きく左右します。小児をメインの患者層とする場合は、特にその傾向が顕著です。定期的な研修の実施や、時には外部講師を迎えた接客マナー指導などを通じて、訪れる人に快適さと安心感を与えるような雰囲気づくりに努めることはとても重要です。

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開業資金をどうやって調達する?

歯科医院の開業資金計画を立てる時に、調達先はおおよそ以下が考えられます。

  • 自己資金
  • 親族・知人からの借入
  • 金融機関からの融資

自己資金

金融機関や親族などから資金を借りることもできますが、返済を考えると、ある程度は自己資金でまかなうのが安全です。さらに、日本政策金融公庫に融資を申請する場合でも、自己資金の有無を確認されます。おおよそ、全体の事業費の3割をまかなえる程度の自己資金が必要になるため、金融公庫からの融資を考えている場合は、自己資金を貯めておいてください。

親族・知人からの借入

開業時の資金調達としてまず、真っ先に思いつくのが親族、友人・知人からの借入です。いくら近い間柄とは言え、お金を貸す側の心理としては複雑なものです。また、後々トラブルになりやすい資金調達法でもあるため、甘えてしまわないよう入念な説明と借用書などを交わすなど、お互いが納得のいく取り決めをしっかりとしておきましょう。

金融機関からの融資

開業資金を調達する際に、多くの方が金融機関から借入を行います。そこで、金融機関からの借入にはどんなものがあるのか解説していきます。金融機関から資金を借りるには、連帯保証人や不動産などの担保があるかどうかにもより選択の幅が変わります。無担保・無保証では借入先の範囲がだいぶ狭まるので、あらかじめ心得ておきましょう。

■ 公的融資
公的融資とはその名の通り、政府や自治体など公的機関が行う融資のことをいいます。代表的なものには、株式会社日本政策金融公庫があり、これは2008年10月に国民生活金融公庫、農林漁業金融公庫、中小企業金融公庫が解体・統合し直して生まれた、国を株主とする特殊会社です。

一般の金融機関が行う金融を補完することを旨とし、国民一般、中小企業者及び農林水産業者の資金調達を支援するための金融の機能を担うと目的にあるとおり、歯科開業においては運転資金や設備投資のための申請をすることができます。

公的・国が株主、などと聞くと敷居が高く感じられるかもしれませんが、新規事業者にとって心強い味方となる制度が用意されています。たとえば、もし不動産や連帯保証人を用意できないといった無担保・無保証の状態でも、上限3,000万円までの融資枠が取れることもあります。

CT・デジタルレントゲン・レセコンといったIT系の設備資金であれば、制度の中で最も低い金利で借入を行えます。内容にもよりますが、担保を提供すれば担保の評価分融資枠を広げてもらえたり、民間では類を見ないほど金利を下げてくれるケースもあります。

■ 制度融資
都道府県や市町村などの地方自治体が金融機関(銀行・信用金庫等)に資金を預け、金融機関はその資金を自治体が定めた有利な貸付条件で中小企業や個人事業主に融資しますが、融資条件として各県の信用保証協会の保証が必要になる方法を制度融資といいます。

信用保証協会としては、協会が連帯保証人の代わりになることで事業主がお金を借りやすいようにして経済を活性化するのが目的で保証を引き受けてくれるわけですが、金融機関からみると債務者の返済が焦げ付いても協会が返済を保証してくれるので、貸した資金が手元に戻るため安心して融資貸出しできるというメリットがあります。

そのため、金融機関は金利を低く提示する事ができますが、もちろん協会もタダで保証してくれるわけではなく、ここに信用保証協会の保証料が約1.0%上乗せになります。東京都の場合、無担保・無保証での融資枠は下限1,000万円~上限2,500万円(1,000万円以上の審査には、加算額と同等の自己資金額が必要)となっています。

歯科医院開業の留意点

歯科医院を経営する上でのリスクとしては、歯科医院の件数はかなり多いという事実です。厚生労働所が平成26年に行った調査によれば、全国の歯科医院の数は68,592件にも上っています。 コンビニエンスストアより歯科医院のほうが数が多いといわれており、そこに新規参入するということ自体がすでにリスクになります。この点から、開業する場所や集客は大変大事になってきます。

そして、物件や医療器具、人件費など何かとお金がかかります。足りない備品を買いそろえたりする費用も必要です。また、当たり前ですが水道光熱費、通信費などの固定費も侮れません。尚、歯科医院を開業して、診療報酬が実際に手元に入ってくるまでには、長い時間を要します。開業してからすぐには、診療報酬は手元に入ってきません。このあたりの事情も鑑みて、運転資金の見積もりを行う必要があるでしょう。

最後に、歯科医院で提供する診療は、保険内のものと保険外のものがあります。このうち、保険内のものは診療報酬が決まっているので、歯科医院が受け取る報酬は大きく動くものではありません。しかし、保険外の診療の場合、報酬は歯科医院が独自に決めていいのですが、法外な診療報酬を請求するのは問題です。しかし、ある程度は高い水準の診療を提供し、それなりの報酬を頂けるビジネスモデルを確立するのが、歯科医院の経営を行う上で必須となるでしょう。

まとめ


歯科医院は飽和状態にありますが、世の中にはなくてはならないものです。地域密着が大切になってきますので、スキルはもちろん、コミュニケーション能力も重要になってきます。

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