【融資・助成金制度ご紹介】中小建設企業への支援
東京オリンピック・パラリンピックの影響で、都内を中心に競技施設の建設、インフラの整備等の建設需要が高まっています。一方で、建設業界では深刻な人手不足が問題となっています。
建設業の構造は、大規模な建設工事を大企業の建設会社が受注し、そこから1次下請け、2次下請け、3次下請けへと、階層的に下請け企業へと発注していくのが一般的です。下の層になればなるほど、企業は利益確保や人材確保が厳しい状況になりがちです。
今回は、中小企業への支援制度として行っている「融資制度」「助成金」をご紹介します。
助成金
助成金とは、一般的に厚生労働省所管で取扱っている給付金のことを助成金と呼び、給付の条件を満たしていれば誰でも貰うことができ、融資などとは違って、返済の必要がありません。基本的には従業員を雇用する上で社会保険に加入していることが条件となっています。種類としては約50種類ほどもあり、現在の自社の状況をみて、該当するものを申請していくことで、給付を受けられます。
建設事業主等に対する助成金(旧建設労働者確保育成助成金)
本制度では、建設業における若年労働者を確保・育成して技能承継を図るとともに、建設労働者の安定した雇用と能力の開発・向上を図ります。対象者は、建設労働者の雇用改善、技能の向上を目指す中小建設事業主や中小建設事業主団体等です。
【厚生労働省】建設事業主等に対する助成金(旧建設労働者確保育成助成金)
融資
融資は、金融機関がお金を貸すこと、つまり、金融機関からの借入のことを言います。簡単に言うと、「借金」です。
しかし、みなさんがイメージする「借金」とは少し異なる点があります。みなさんがイメージする「借金」は、消費を目的としており、生活費や住宅、車、洋服などの購入資金としてお金を借りる行為です。一方の「融資」は同じ「借金」でも、その目的は事業のために使う資金です。事業で利益を生むためにお金を借りるので、消費目的とは異なり、お金を作ることを目的としてお金を借りることになります。
下請セーフティネット債務保証事業
建設業者の公共工事の請負代金債権を担保として、事業協同組合等の融資事業者から出来高に応じて融資を受けることができます。本事業では、融資事業者が融資を行う場合、金融機関から借り入れる転貸融資資金に対して債務保証を付けることで、融資資金の確保と調達金利等の軽減を図っています。
本事業による建設企業のメリットは、以下になります。
- 資金繰りの改善、経営力の強化により経営基盤が安定する事ができる
- 極めて低金利で資金調達ができる
- 経営事項審査の評価点アップにつながる
- 指名等不当な扱いをする事がないよう指導が受けられる
一般財団法人建設業振興基金 下請セーフティネット債務保証事業
地域建設業経営強化融資制度(平成33年3月31日までの事業)
建設業者が公共工事の請負代金債権を担保として、事業協同組合等または一定の民間事業者から出来高に応じて融資を受けることができます。また、保証事業会社の保証により、工事の出来高を超える部分について金融機関から融資を受けることができます。
融資事業者が融資を行うにあたり、金融機関から借り入れる転貸融資資金に対して債務保証を付けることで、融資資金の確保と調達金利等の軽減を図っています。また、印紙税等の負担が軽減される電子記録債権を活用したスキームも導入しています。「仕事の受注はあるが、資金繰りが厳しい」、「担保になる不動産を持っていない」、「金融機関の借入枠に余裕がない」といった悩みを持つ建設企業に有効な制度です。
まとめ
いかがでしたでしょうか?中小建設業の企業では、金融を円滑化するための支援を受けられる制度があります。知っていると知らないとでは大きく違いますので、対象となる方は是非参考にして見てください。