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左官での開業の資金調達方法


本記事では、左官での独立に必要な事や独立に際しての資金調達方法についてご紹介していきます。

左官とは?

左官とは、建築工事において塗り壁などを塗る職人のことをいいます。土やセメントなどを水で練ったものを、コテで塗り、漆喰(しっくい)などで表面を美しく仕上げるのが主な仕事です。

塗り壁の材料は、土系のものがあったりセメント系のものがあったりしますが、固まらないうちに壁などに塗り、きれいに仕上げなければならず、非常に技能が必要とされる仕事です。また、タイルを貼ったり、レンガやブロックを積んだりすることも仕事に含まれます。

左官になるには

特別な資格は不要ですが、一定の技能をあらわすものとして国家技能検定があり、1級左官技能士と2級左官技能士に分類されます。特別な資格は不要とはいえ、難しい仕事ですので一定の技能レベルを示すため、一線で活躍する左官職人は大抵持っています。

左官が活躍する現場
左官が活躍する現場は主に2種類あり、同じ左官でも現場によって仕事内容が大きく異なります。工事現場のことを「丁場」と呼び、左官が活躍する丁場は、野丁場と住宅左官にわかれています。

野丁場

野丁場とは、鉄筋コンクリート造などの大規模な工事現場のことです。比較的大きなプロジェクトであるため、仕事内容は分業化されています。

そのなかで左官は主に下地作りを担当します。建築物が完成した時には見えなくなってしまう地味な作業ですが、職人の高い技術が必要とされ、誤差は5ミリ以内でおさめなければなりません。工期に合わせて仕事ができる計画性と、仕上がりの質どちらも求められるのが野丁場での仕事です。

住宅左官

住宅左官は、町場と呼ばれることもあります。壁塗りの仕上げをおこなうのが主な仕事内容です。コテを使って漆喰や珪藻土などを塗ったり、レンガやタイル、ブロックを使って床や壁を仕上げていきます。

完成した建築物では手作業で塗り上げた壁や床がダイレクトに目に触れるため、技術が高く経験も積んでいる左官でないと務まらない仕事です。お客さんの注文に応えて模様を施したり、継ぎ目なく塗り上げたりとセンスと集中力が求められます。

左官技術者としての証「左官技能士」

各都道府県の職業開発能力協会が実施する技能検定のひとつとなる「左官」に合格した人に対して与えられる資格です。1級、2級、3級があり、いずれも一定の実務経験が必要です。1級左官技能検定合格者は、当該職種の職業訓練指導員免許を取得できることや、国土交通省が発注する官庁営繕工事で指定する職種に対し義務付けられている「1級技能士現場常駐制度」による常駐者になることができるなど社会的地位の高い資格となっています。

また工事全体を管理したいのであれば、「建築施工管理技士」がおすすめです。施工管理技士は、工事全体の進捗や品質を管理する責任者にあたりますので、より大きな仕事を担当したい方、具体的に会社を持ちたい方は目標にするとよいでしょう。

開業する場合の手続き

個人事業主として行う場合、一般的な手続きとして、個人事業の場合、個人事業の開廃業等届出書、所得税の棚卸資産の評価方法・減価償却資産償却方法の届出書、青色申告承認申請書等を納税地の所轄税務署へ提出します。また、個人事業開始申告書は事業所所在地の都道府県税事務所へ。詳しくは、最寄りの管轄行政に問い合わせが必要です。

法人として会社を設立する場合、定款作成、会社登記をし、法人設立届出書、青色申告の承認申請書、給与支払事務所等の開設届出書、源泉所得税の納期の特例の承認に関する申請書、法人設立届出書(地方税)などを提出します。

開業する為には資金の準備はもちろんコネクションも大事!?

まずは事業の為に、鏝(コテ)やポンプやウインチ、サンダー、かくはん機など、見積もりや工程管理の為の事務機器、砂やセメントなどを乗せるトラックも全て用意する必要がありますので、ある程度の資金は準備しておく必要があります。

そして職人の高齢化、若者不足はありますが、左官屋は狭い業界ですのでおかかえ工務店、ゼネコンが大抵決まっています。そこに新しく入っていくには、今までのコネクションや営業力、コミュニケーション能力、品質、作業スピードが求められます。

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開業資金をどこから調達すればいいのか?

開業するにあたり、自己資金、いわゆる貯金だけで開業できればいいですが、なかなか日々の生活費なども考えると難しい所です。では自己資金以外でどこから調達すればいいのでしょうか?

日本政策金融公庫

日本政策金融公庫とは、2008年10月1日に、国民生活金融公庫、農林漁業金融公庫、中小企業金融公庫、国際協力銀行の4つの金融機関が統合して発足した100%政府出資の政策金融機関です。全国に支店網があり、固定金利での融資や、長期の返済が可能など、民間の金融機関より有利な融資制度が多く、設立間もない法人やこれから事業を始めようとする人であっても、融資を受けやすいのが特徴です。

一般的な中小企業に関係する事業は、国民生活事業になり、国民生活事業は事業資金の融資がメイン業務で、融資先数は88万先にのぼり、1先あたりの平均融資残高は698万円と小口融資が主体です。融資先の約9割が従業者9人以下であり、約半数が個人企業です。サラリーマンには馴染みではないですが、理由として、銀行のように口座はなく、貸付のみだからになります。

創業者向け融資制度である「新創業融資制度」や認定支援機関の助言があれば無担保・無保証、金利が安価になる「中小企業経営力強化資金」という融資制度がお勧めです。

信用保証付の融資

「信用保証協会」という公的機関に保証人になってもらい、民間の金融機関から融資を受ける制度です。貸倒のリスクを信用保証協会が背負うので、実績のない創業者が民間金融機関から融資を受けることが可能となります。万が一返済が不可能になった場合は、信用保証協会が代わりに金融機関に返済し、その後債務者は、信用保証協会に借入金を返済することになります。信用保証協会は全国各地にあり、地域ごとに創業者向けの融資制度を設けています。また独自の融資制度を設けている自治体も多くあります。

手続きの手順としては、信用保証協会に保証の承諾を受け、金融機関から実際の融資を受けるという流れになります。また各自治体の制度を利用する場合は、自治体の窓口を経由することになります。

親族、友人・知人からの借入

親族・知人から借入をする際には、その人の好意でお金を借りることになります。先々トラブルにならないようにしっかりとした取り決めをおこなっておくことが重要です。いくら近い間柄とは言え、お金を貸す側の心理としては複雑なものです。また、後々トラブルになりやすい資金調達法でもあるため、甘えてしまわないよう入念な説明と借用書などを交わすなど、お互いが納得のいく取り決めをしっかりとしておきましょう。

その他注意点として、金額によっては贈与税を納めなくてはならないので、実施する場合は、贈与とみなされないよう書面(金銭消費貸借契約書)を作成したほうが良いでしょう。また、利息など契約内容も明確にし、返済は銀行口座を通じたり、領収書をもらうなどして、証拠を残したほうが良いでしょう。

まとめ


左官という職業は、ニーズの多様化によって、高い技術力を持つ職人はますます必要とされております。

近年においては、健康志向の高まりから漆喰や珪藻土を始めとする自然素材を生かした日本建築が見直されており、伝統を受け継ぐ左官の文化にも関心が寄せられています。独自の技術やデザイン性によって差別化し、価値を高めることも可能で、オリジナルにこだわった左官職人を目指すということは社会的地位の確立という観点からも効果的です。左官の今後の見通しとして、さまざまな社会的な背景からも、将来性のある職業として活躍の場はますます増えることが予想されます。

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