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ゲーム会社での開業について~開業手続きや開業資金など~


最近では、アプリやWEBサービスの制作会社から独立してゲーム会社で起業・開業する人が増加しています。ゲームアプリ開発は、ヒット作品を作れば一攫千金も狙えるリターンの大きい業界ですが、リターンが大きい分、リスクもたくさん潜んでいます。ゲーム開発を行う株式会社の経営には多額のお金が必要になるため、しっかりと資金調達をしたうえで綿密な起業プランをもっておくことが大切になります。

今回は、ゲーム会社での起業・開業について解説していきます。

ゲーム会社のビジネスの特徴

コンピュータプログラムのうち特にエンターテインメントに特化した「ゲームソフト」の企画・開発・販売を行います。ゲームセンターなど業務用のアーケードゲーム、家庭用ゲーム専用機器、パソコン、携帯端末用とプラットフォームは広がっています。個人でも参入しやすいとされるスマホゲームアプリ開発の場合、アプリリリース後の売上の発生は、以下のパターンとなります。

  • 有料アプリとして販売する
  • アプリ内課金によって料金を得る
  • アプリに広告を表示させ、クリックしてもらうことで広告収入を得る

開業タイプ

ゲームデベロッパー(ゲームソフト開発)

ゲームソフトの開発を専門に行う。スマホゲームアプリの開発で開業する場合は、アップル社運営の「App Store」やグーグル社運営の「Google Play」などのアプリマーケットで販売する形式が主となります。1人であれば自宅での開業も可能で、副業から始め、軌道に乗れば専業化するという方法もあります。

ゲームパブリッシャー併用型

ゲームソフト開発とゲームソフト販売元を兼ねた業態です。開発だけでなく流通ルートの確保、広告・宣伝費、営業に関わる人件費等、拡大に伴う労力やコストの増大に備え、開業前に十分なリスクヘッジをとっておく必要があります。

ゲーム会社で起業・開業する為に大事な事とは?


ゲーム事業で起業・開業するには、当然のことながら「ヒットするゲーム」を開発する必要があります。そのため、どんなゲームが市場に受けるのか、どんな人をターゲット層に据えるかなど、起業プランをしっかり練ることが起業の第一歩です。ゲーム会社を興して成功するためのビジネスプランを練るときに大切なポイントとして、以下のような項目が挙げられます。

アクション?ボードゲーム?どんなジャンルのゲームで攻めるか

ひとことでゲームと言っても、様々なジャンルのものが存在します。アクションゲームやパズルゲーム、RPG、ボードゲームなど、どんなジャンルのゲームを作るかによって内容が大きく異なることに注意が必要です。どのジャンルのゲームを作るかは、ゲーム会社を起業したい理由によっても変わります。ヒットしそうなゲームのプランが先に思い浮かんでいるケースでは、そのゲームの内容をベースにビジネスプランを練ることが可能です。もし、ゲーム会社を起業したいということだけが漠然と決まっている場合は、参入するゲームのジャンルを慎重に決める必要があります。ゲームのジャンルによって、ヒットしやすいものとそうでないものが分かれるからです。すでに開発チームがいて、既存の作品がある場合には、それと同じジャンルのゲームを開発するとスムーズに進む可能性が高くなります。

ターゲットとなるユーザー層を明確にする

ゲームのジャンルが決まったら、次にターゲットとなるユーザー層についてしっかりと把握することが大切です。年代や性別、またどんな人がいつそのゲームをするか?といったターゲット増を明確にする必要があります。大学生がプレイするのか、主婦層がプレイするのかなどの明確化が大切です。年齢や性別、職業などの属性の違いによって、人気が出るゲームは異なります。ゲーム性を求めているユーザー層と、キャラクターデザインやキャラクターボイス、音楽などを重視しているユーザー層では、求めるゲーム内容が全く違うことに注意しましょう。

そのジャンルですでにヒットしている作品を研究する

ジャンルとターゲット層が決まった場合、そのジャンルですでにヒットしている他社の作品を研究することも大切です。今の時代にヒットするゲームには共通点があり、それらの要素をエッセンスとして盛り込むことで成功の確率が高まります。ゲームアプリは運営年数や利用者数、ダウンロード数などのデータを確認することもできますので、流行っているかどうか確認しやすいです。モデルとしてベンチマークするゲームアプリを決めて、それらを超える面白いゲームアプリを開発することが成功の鍵となります。

ゲーム会社の運営に必要なメンバーを揃える

ゲームの企画や事業計画が固まっていても、自分一人だけで開発を進めるのは難しいです。プログラムの実装からデザイン、ゲームの企画、バグのチェックをはじめとして、ゲームアプリの宣伝、運営、広報までを社長一人だけのマンパワーで行うのは不可能です。

  • ゲームのキャラクターやインターフェースを作れるデザイナー
  • ゲームアプリの実装ができるプログラマー
  • マーケティングや営業、広報に強いプランナー
  • 様々な指標を分析できるアナリスト
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プロモーションの重要性

スマホゲームのアプリ開発は個人でも参入しやすい分野ですが、ダウンロードされない限りは売上につながらないため、ゲームアプリの認知度を上げることが重要課題となります。そのためには積極的なプロモーションが不可欠です。具体的な手段として、メディアへのプレスリリース送付、SNSやブログ、YouTubeでの宣伝、コンテストやイベントへの出展などが挙げられます。

収益化の視点

スマホゲームアプリの開発で収益を上げるためには、ダウンロード数の向上が必須であり、数万~数百万単位のダウンロード獲得が可能なアプリが複数あることが望ましいです。費用対効果の高いプロモーションツールを活用する一方で、リピーターやファンを獲得できるようなゲームを継続して開発する持続力が重要となります。ゲームの場合、国内だけでなく海外のユーザーに対してもアピールできるよう、英語対応版をリリースすることも手段の1つです。

開業する場合の手続き

ゲームソフト事業を開業する場合に、公的機関への許認可といった特別な手続きは不要です。

ゲームソフトの内容や表現が青少年に与える影響への配慮から、多くのゲームソフトメーカーは成人用ソフトウェア等の自主規制を行うために、「コンピュータソフトウェア倫理機構」に加盟し、「18歳未満販売禁止」「R指定(15歳未満販売禁止)」などの自主規制を行っている。業界団体のコンピュータエンターテインメントレーティング機構(CERO)では、ゲームソフトの表現内容によって対象年齢をパッケージに表示する「レーティング制度」を制定しています。

個人事業主として行う場合、一般的な手続きとして、個人事業の場合、個人事業の開廃業等届出書、所得税の棚卸資産の評価方法・減価償却資産償却方法の届出書、青色申告承認申請書等を納税地の所轄税務署へ提出します。また、個人事業開始申告書は事業所所在地の都道府県税事務所へ。詳しくは、最寄りの管轄行政に問い合わせが必要です。

法人として会社を設立する場合、定款作成、会社登記をし、法人設立届出書、青色申告の承認申請書、給与支払事務所等の開設届出書、源泉所得税の納期の特例の承認に関する申請書、法人設立届出書(地方税)などを提出します。

開業資金をどこから調達すればいいのか?

ゲーム、PCやスマートフォンのアプリケーション、その他システム開発をする場合には数千万円単位の資金投資が必要になります。従業員が少ない段階では外注に出すこともありますので、多額の費用が発生します。そのため、創業前に十分な資金調達ができるルートをあらかじめ確保したうえで、開発をスタートすることが重要です。

自己資金、いわゆる貯金だけで開業できればいいですが、なかなか日々の生活費なども考えると難しい所です。では自己資金以外でどこから調達すればいいのでしょうか?

日本政策金融公庫

日本政策金融公庫とは、2008年10月1日に、国民生活金融公庫、農林漁業金融公庫、中小企業金融公庫、国際協力銀行の4つの金融機関が統合して発足した100%政府出資の政策金融機関です。全国に支店網があり、固定金利での融資や、長期の返済が可能など、民間の金融機関より有利な融資制度が多く、設立間もない法人やこれから事業を始めようとする人であっても、融資を受けやすいのが特徴です。

一般的な中小企業に関係する事業は、国民生活事業になり、国民生活事業は事業資金の融資がメイン業務で、融資先数は88万先にのぼり、1先あたりの平均融資残高は698万円と小口融資が主体です。融資先の約9割が従業者9人以下であり、約半数が個人企業です。サラリーマンには馴染みではないですが、理由として、銀行のように口座はなく、貸付のみだからになります。

創業者向け融資制度である「新創業融資制度」や認定支援機関の助言があれば無担保・無保証、金利が安価になる「中小企業経営力強化資金」という融資制度がお勧めです。

信用保証付の融資

「信用保証協会」という公的機関に保証人になってもらい、民間の金融機関から融資を受ける制度です。貸倒のリスクを信用保証協会が背負うので、実績のない創業者が民間金融機関から融資を受けることが可能となります。万が一返済が不可能になった場合は、信用保証協会が代わりに金融機関に返済し、その後債務者は、信用保証協会に借入金を返済することになります。信用保証協会は全国各地にあり、地域ごとに創業者向けの融資制度を設けています。また独自の融資制度を設けている自治体も多くあります。

手続きの手順としては、信用保証協会に保証の承諾を受け、金融機関から実際の融資を受けるという流れになります。また各自治体の制度を利用する場合は、自治体の窓口を経由することになります。

親族、友人・知人からの借入

親族・知人から借入をする際には、その人の好意でお金を借りることになります。先々トラブルにならないようにしっかりとした取り決めをおこなっておくことが重要です。いくら近い間柄とは言え、お金を貸す側の心理としては複雑なものです。また、後々トラブルになりやすい資金調達法でもあるため、甘えてしまわないよう入念な説明と借用書などを交わすなど、お互いが納得のいく取り決めをしっかりとしておきましょう。

その他注意点として、金額によっては贈与税を納めなくてはならないので、実施する場合は、贈与とみなされないよう書面(金銭消費貸借契約書など)を作成したほうが良いでしょう。また、利息など契約内容も明確にし、返済は銀行口座を通じたり、領収書をもらうなどして、証拠を残したほうが良いでしょう。

まとめ


いかがでしたでしょうか?今回は、ゲーム会社での起業・開業について解説しました。

ゲームがヒットすれば大きなリターンが得られますが、開発や宣伝には大きなコストがかかります。予期せぬトラブルに見舞われることも多いので、事前に十分なリスク管理をしてプロジェクトを成功に導きましょう。

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